●免許返納以外の対策について
高齢ドライバーの運転や事故防止対策について、以下の声が寄せられました。
【高齢ドライバーの運転を懸念する意見】
「93歳の祖母が、家と近所のスーパーまでなどは車をまだ運転している。かなりしっかりしているが、事故を起こしたりしないか心配」(30代女性)
「本人は運転にまったく問題ないと言っているが、車をよく見ると、所々傷が増えていたり、ぶつけてへこませた形跡が複数個所見られる」(50代男性)
【事故防止対策についての意見】
「都心と地方とでは免許の必要性が異なる。一概にバスやタクシーなどのインフラが整備されればよいという話ではなく、高齢運転者の多くは移動の自由が損なわれることを嫌がっていると思う。地方では路線が縮小されているほか、運行本数が少なく、間隔も長い」(40代男性)
「衝突防止機能が搭載されている車両のみ運転できるように法律を改正すべき」(60代男性)
「交通ルールがよく理解出来てない年配者が多く、年寄りだからいいだろ、という安易な気持ちを持っている人がいるため、再度運転技術とルールについて再教育が必要」(60代男性)
「地方における移動手段として自動車は必要。適切な保安装置を装置した車両限定の免許の設定や認知、判断、運動機能の検査を厳格化するのと併せて、運転を認める方向であってほしい」(50代男性)
「公共交通機関が不便なので車は必需品。車の安全装置の精度を高め、全車標準装備、義務化にすべき」(50代男性)
●返納させるか否か…現場の声
免許を持っている70歳以上の親・祖父母の今後の返納について尋ねたところ、「返納させたい」が44.1%で、「返納させるつもりはない」の23.0%を上回りました。もっとも、「わからない」が35.4%にのぼるなど、子・孫でも判断がつかないケースもあるようです。
返納させたくても「説得が容易でない」との声が目立つ一方、返納を実現したことで安堵したという声もありました。
【親・祖父母に返納させるのが難しいという意見】
「(親が)自分ではまだまだ運転出来ると思っているので、返納する際の話し合いで喧嘩になって大変だった。説得するのが大変難しい」(50代男性)
「母親は返納についてこだわりはなかったが、父親は大変に嫌がった。男性として、運転ができなくなることに非常に抵抗があったのだろう。他の家庭の話でも、女性より男性のほうが返納を嫌がっている話をよく聞く」(70代男性)
「父親の運転がもともとスピードを出すタイプなので危険。運転してほしくない。だがまだ50代なので言い出しにくい」(20代男性)
「母は返納したが、父は『自分は大丈夫』だと思っている。『俺は他の人と違う』とどこからそんな自信がくるのかがわからない。高齢者による事故ニュースを見るたびに、返納したらと言うと機嫌が悪くなり困る」(50代女性)
「義母88歳。車の維持費を支払う能力がないのに乗りたがる。仕方なく車検代を夫が払っている。高齢者同士で2回事故を起こし、乗っては駄目といっても言う事を聞かない。歳を重ねる毎に意固地になる」(60代女性)
「普段は温厚な父だが、ハンドルを握るとイケイケな性格になって、同乗した私自身が怖い思いをしたこともある。おそらく父の不注意だろうと思われる事故を起こしているにもかかわらず、本人は『向こうが悪い!』と譲らず、なかなか免許の返納は理解が得られない」(50代男性)
【返納を実現して安堵したという意見】
「返納させたい1番の理由は、親の事故が元で周りにご迷惑をおかけすることが避けられること」(50代女性)
「当時70代の親が運転中に、咄嗟の判断ができず対向車が気を利かせて停車してくれた、という話を聞き、その後すぐに免許を返納した。交通の不便な場所に住み、自由に外出ができなくなるため悩んでいたが、ニュースでも高齢者の事故が相次ぎ、残された人生を事故によって苦悩しながら過ごしてほしくないと伝えたところ、納得して返納してくれた」(50代女性)
「自損だが、事故を起こしたため返納させた。田舎なので行動範囲が減って生気がなくなったような印象があるが、死ぬよりはマシと思っている」(20代男性)
配信: 弁護士ドットコム