「声帯ポリープ」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

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声帯ポリープの治療

声帯ポリープの治療ではポリープの状態や症状にあわせて、声帯の安静や発声方法の改善、生活習慣の指導、薬物療法、手術などが選択されます。
声帯ポリープは再発しやすいため、再発防止を目的として発声方法の改善や生活習慣の指導もすすめられます。

大きなポリープがある場合や、薬物療法で改善が見られない場合は手術が検討されます。
一般的にファイバースコープや喉頭顕微鏡を使用した手術が行われ、ポリープの大きさや職業などによって最適な手段を選択します。

声帯の安静・発声方法の改善

声帯ポリープの治療において重要なのは声帯の安静です。
日常生活で発声をできるだけ控えることで声帯にかかる負担を軽減し、ポリープの悪化を防ぎます。
症状が落ち着いた後は、言語聴覚士によって正しい発声方法を学ぶのも効果的です。
日々の発声による声帯へのストレスが減ることで状態を良好にし、ポリープの再発を防げます。

生活習慣の指導

声帯ポリープの治療や再発防止には生活習慣の指導がおこなわれます。
喫煙は声帯に悪影響を及ぼし、声帯ポリープだけでなく喉頭がんのリスクも高めるため、禁煙が推奨されます。
十分な水分補給や部屋の加湿などで声帯の乾燥を防ぐのも大切です。

薬物療法

声帯の炎症をおさえるために、消炎鎮痛剤や吸入のステロイド薬を投与します。
声帯の安静や発声方法の改善と同時に薬物療法をおこなうことで、声帯の腫れを抑える効果があります。
痰がからむ場合は去痰薬(きょたんやく)を投与することもあります。

ファイバースコープによる手術

声帯表面を局所麻酔した後、ファイバースコープと鉗子を挿入しながらポリープを摘出する手術です。
手術は発声したときの声帯の状態や、実際の声の変化を確認しながら進められます。
手術後はできるだけ発声を控える必要はありますが、日帰りでおこなえるケースが多い手術です。

喉頭顕微鏡による手術

喉頭顕微鏡を使用し、声帯病変を拡大して確認しながらポリープを切除する手術です。喉頭顕微鏡による手術は全身麻酔下でおこなわれるため、通常2~7日程度の入院が必要です。
手術後は傷の安静のために、5日ほど完全に発声を控える必要があります。
ファイバースコープによる手術で取り切れないと予想される場合や、発声の場があまりない職業の方などに適応される手術です。

声帯ポリープになりやすい人・予防の方法

声帯ポリープになりやすい人は政治家や教師、歌手など声を出す場面が多い職業の人や、日常的に喫煙している人です。

予防のためには、日常生活から正しい発声方法や禁煙を心がけることが大切です。
たくさん発声した後は安静にしたり、こまめに水分補給をして乾燥を防ぐなど、声帯にやさしい生活を送るのも重要になります。

関連する病気

喉頭炎

急性喉頭蓋炎

声帯結節胃食道逆流症

気管支異物

喉頭がん

参考文献

一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会咽頭・気管・食道の病気

一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会咽頭・気管・食道

間藤翔悟, 宮本真, 渡邉格:声帯ポリープに対する効果的な音声療法の方法に関する検討. 音声言語医学, 62, 314-320,2021

米川紘子, 太田文彦, 小池靖夫:ポリープ様声帯の臨床. 日本気管食道科学会会報,34(6), 409-417,1983

福田宏之:ポリープ様声帯の手術. 日本耳鼻咽喉科学会会報,32,783-786,1986

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