寝違えの治療
寝違えでは多くの場合、1週間程度で自然と痛みが軽減していくため、特別な治療は必要ありません。しかし、痛みが強い場合には内服薬の処方や注射をする場合があります。また、ストレッチなどの軽い運動も効果的です。
内服薬・湿布薬
痛みが強い場合は、NSAIDsという消炎鎮痛薬や湿布薬が処方されます。寝違えの痛みは首の筋肉や関節などの炎症が考えられるため、消炎鎮痛剤であるNSAIDsの効果が期待できます。また、整形外科で処方される湿布薬にも消炎鎮痛剤が含まれているため、寝違えの痛みに効果的です。
消炎鎮痛剤のほか、筋肉の緊張を落とす筋弛緩剤も寝違えの痛みを和らげる効果が期待できます。寝違えは筋肉の緊張に伴う血流の悪化でも生じるため、筋肉の緊張を落とす筋弛緩剤による血流の改善は寝違えの痛み緩和につながると考えられます。
注射
寝違えの痛みが強い場合には、痛みが出る筋肉に対して局所麻酔薬を注射します。局所麻酔薬を注射することで痛みの緩和が期待できます。
ストレッチなどの軽い運動
ストレッチなどの軽い運動も寝違えに効果的です。軽い運動をすることで首の筋肉の血流がよくなり、筋肉の硬さが解消される可能性があるためです。
ただし痛みが強いときに無理に動かすと、寝違えの痛みがさらに強くなる可能性があります。そのため、痛みが強いときは内服薬や注射で痛みの緩和を図り、痛みが落ち着いてきた頃に軽い運動を取り入れると良いでしょう。
寝違えになりやすい人・予防の方法
ストレートネックで肩こり傾向がある人は寝違えが起きる可能性が高いです。ストレートネックは、本来後ろに倒れている頚椎が前方に倒れているため、首の前の筋肉が固まりやすく、後ろの筋肉が引っ張られるため筋肉が緊張しやすい状態です。
寝違えの予防方法は、ストレートネックを改善することと普段から運動の習慣をつけることです。ストレートネックの原因は姿勢の悪さであり、特にスマートフォンや本を長時間見ることで首が前方に倒れることで発症しやすくなります。そのため、体に対して首が前に倒れないように姿勢を維持する意識が重要です。
また、首の筋肉に関わる肩甲骨や背骨の動きを引き出すストレッチやヨガ、ウォーキングなどの有酸素運動で首や胸・腕周りの筋肉を使い、首周囲の筋肉の血流を良くすることが寝違えの予防になります。
関連する病気
頚椎症性神経棍症
ストレートネック
参考文献
日本整形外科学会寝違え
田中靖久 頚椎症の臨床 - 頚部痛の原因 - 日本東洋医学系物理療法学会誌 第47 巻2 号 2022
配信: Medical DOC
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