深呼吸は新鮮な酸素を体内に取り込むため、酸素が脳および全身のあらゆる部位まで行きわたり血液の循環が良くなります。その結果自律神経が整い、リラックスした穏やかな気持ちにつながっていきます。本記事では深呼吸によって得られる効果や、正しい深呼吸の方法について、看護師免許を保有する筆者が解説していきます。
そもそも深呼吸という行為は、息を吸って吐くだけのものではなく、人の情緒に働き掛ける効果があるとされています。さらに、幸せホルモンの分泌を促すため精神の安定にも働き、リラックス効果のみならずさまざまな効果をもたらしてくれるといいます。
休日が終わり、また明日から仕事が始まると憂うつな気分の日曜夜、また上司から難しい指示を受けて気が重い平日など、気持ちが晴れないときには深呼吸を試してみてください。
深呼吸により得られる効果
深呼吸によって得られる効果は、次の通りです。
リラックス効果:
深呼吸をすることで自律神経が整うと、副交感神経が優位に働き、緊張や不安・興奮した気持ちが和らぎ、リラックスした状態になる
疲労回復:
深呼吸によって新鮮な酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出することで疲労回復につながる
血行促進:
深呼吸によって得られた新鮮な空気を脳や全身へ送り出し、血液の巡りを促進する
精神の安定:
深呼吸によって幸せホルモンが分泌され、ストレスの緩和や精神の安定につながる
睡眠の質向上:
副交感神経が優位に働くことにより、リラックス状態となり睡眠の質も高まる
深呼吸によって血液の巡りが促進されると、不要となった老廃物や二酸化炭素も体外に排泄されるため、デトックス効果も得られます。老廃物が体外へ出ると体の調子も整うことが期待されるため重要な機能です。血液の巡りが促進されることで得られる効果は、デトックス効果以外に、冷え性の改善や肩こり緩和、免疫力のアップなどが挙げられます。
これらの効果を得るためにも、効果的な深呼吸の方法を知っておきましょう。
深呼吸の正しいやり方は次の通りです。まず体勢は立位でも座位でも可能ですが、楽な姿勢を取り、姿勢を正します。両手は下腹部辺り(おへそ付近)に当てるか、両側へ広げるようにして、息を全て吐き出します。鼻からゆっくりと3秒程度掛けて息を吸い込みます。お腹を十分に膨らませるように意識して行います。
吐き出すときは、反対にお腹をへこませるように意識して行います。吐くときは吸うときの倍の時間を掛けます。つまり6秒ほどで息を吐き出していきます。
1日実施する回数に規定はないため、意識して数回程度深呼吸を取り入れていくことで習慣化につながり、日常生活でも自然と行えるようになります。
自然に深呼吸するようになると、気持ちも落ち着き、比較的リラックスした状態で日常を過ごすことにつながります。同時に、息を吐くことは力を抜くことになり、無意識に入っていた力が抜けて肩こりの解消やほっと一息つくきっかけにも期待できます。
※ ※ ※
深呼吸は自分自身を落ち着かせ、冷静に考えるきっかけとなったり、肩や体の力を抜くきっかけになったりもします。
普段の生活の中で深呼吸の習慣化を行い、深呼吸を正しく習得することが必要です。興奮した状態や落ち着かないときこそ、深呼吸を意識していきましょう。
(じゅんな)
配信: LASISA
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