夏?秋?どっちのナスがおいしいの?
夏野菜のイメージがあるナスですが、「秋ナス」という言葉もよく耳にします。有名なことわざ「秋ナスは嫁に食わすな」には、ナスを食べると体を冷やすことからお嫁さんを気遣っているという説のほか、秋においしくなるナスをお嫁さんに食べさせるのはもったいないという説など、複数の解釈があります。その真意はさておき、果たして、夏と秋でナスに違いがあるのでしょうか。
▲甘みが増す秋ナス。これからの季節はナスの田楽もおいしいですね。
夏のナスは煮崩れしにくく・秋ナスはやわらかく甘みが強め
現在はハウス栽培を含めて一年中、出回っているナスですが、もとはインド原産で暑さに強く、本来の旬は初夏から秋にかけて。夏のナスは、暑い時期に強い日差しをたくさん浴びて育つため、皮が少し厚くなる傾向があります。果肉も詰まっていて煮崩れしにくく、ラタトゥイユやカレーなどの煮込み料理に使うと形よく仕上がりやすいです。
一方、晩夏から秋に出回る秋ナスは気温や日差しがやわらいだ環境で育つため、甘みやうまみが増すと言われています。皮と果肉がやわらかくなり、炒め料理に使うと火が通りやすく、麻婆ナスやみそ炒めなどが手早く仕上がります。ナス本来の味を生かす焼きナス、焼き浸し、田楽、天ぷらにもおすすめです。
▲夏獲り・秋獲りの違いだけでなく、中長ナス(右)・長ナス(左)・丸ナス(中央)などの品種によってもナスの持ち味が異なります。
中長ナス、長ナス、大長ナス、丸ナス、米ナスなど、地域によって多彩な品種が栽培されていて、ナスの品種によっても果肉のやわらかさ、食感や味の個性が異なるため、参考としていただけたら幸いです。
紫紺色の皮に強い抗酸化パワー
配信: LASISA