大学付属病院と市中病院の違い
大学病院とは、大学設置基準第39条に基づき設置されている(大学の)付属施設です。医学または歯学に関する学部を置く大学には、教育研究に必要な施設として、(大学の)付属施設である付属病院を置くことが定められています。
このようなことから、大学病院は一般的な病院(市中病院)とは異なる役割を担います。一般病院(市中病院)が「診療」のための施設であることに対して、大学病院は「診療」・「教育」・「研究」といった3つの役割を担っています。総合病院として診療を行うほか、医学生の教育、新治療の開発・研究なども行っています。
研修指定病院としての役割
(大学の)付属施設である大学病院は、研修指定病院として認可されており、学生の実習先であり、卒業生の就職先です。また高度医療の開発や研究も行われていて、大学病院では保険適用前の最先端医療を提供している場合があります。
特定機能病院としての役割
大学病院のなかには、特定機能病院の認可を受けている施設が多く、高度医療に取り組んでいるのも特徴です。特定機能病院とは高度医療が提供可能な病院のことであり、大学病院以外に、がんセンターなどが指定されています。
特定機能病院の認可を受けている大学病院の場合、一般病院(市中病院)のようには外来診療を受け付けません。一般病院(市中病院)では誰でも外来診療が受けられ、診察時間内であればいつでも自由に来院できます。その地域のかかりつけ医として、地域住民に対して必要な医療を提供するのが、一般病院(市中病院)の主な役割です。
いっぽう特定機能病院では、外来診療を受けるためには、医師からの紹介状が必要です。これは、高度医療の技術を必要とする患者様を最優先にするためです。
大学付属病院と市中病院の共通点
このように、特定機能病院の大学病院と一般病院(市中病院)は異なる立場にありますが、患者様の健康やよりよい生活のために患者様を診療することは共通しています。医療連携をとりつつ、それぞれの役割を果たすことが重要だと考えられます。
配信: 医科歯科健診コラム