レックリングハウゼン病の前兆や初期症状について
レックリングハウゼン病は、幼少期からさまざまな症状が現れることが多いです。あらわれる症状は個人差がありますが、典型的なものとして皮膚や骨、神経に関する症状が見られます。代表的な症状は以下のとおりです。
カフェオレ斑
最も早く現れる兆候の一つが「カフェオレ斑」と呼ばれる淡い茶色の斑点です。これらの斑点は、出生時または幼児期に見られることが多く、年齢とともに数が増えたり、大きさが変わったりすることがあります。一般的に、6つ以上のカフェオレ斑が見られる場合、レックリングハウゼン病を疑う要因となります。
神経線維腫
皮膚や皮膚の下に「神経線維腫」と呼ばれる柔らかい腫瘍が発生する場合があります。多くの神経線維腫は良性ですが、稀に悪性化することもあります。また、神経付近に生じることがあるため、神経の圧迫による痛みやしびれなどの機能障害を引き起こすケースもあります。
視神経膠腫
視力の低下や視野欠損を引き起こす可能性がありますが、進行が遅い場合や無症状のことも少なくありません。レックリングハウゼン病患者では、視神経膠腫を小児期に発症することが多いです。視神経膠腫の治療は、症状や腫瘍の進行具合によって異なり、放射線治療や手術が検討されることがありますが、慎重な経過観察が選ばれるケースもあります。
リッシュ結節(虹彩小結節)
虹彩にできる「リッシュ結節」も主な症状です。小さな茶色の斑点で、基本的に視力には影響しません。リッシュ結節は、レックリングハウゼン病の診断基準の一つです。
骨の異常
骨の異常も見られることがあります。脊柱側弯症(背骨が側方に湾曲する状態)や、手足の骨の異常な発達、頭蓋骨の欠損などが挙げられます。また、長骨に偽関節が作られることで、骨が正常に治癒しないこともあります。
レックリングハウゼン病の検査・診断
レックリングハウゼン病の診断は、遺伝子検査または臨床所見をもとに行われます。
レックリングハウゼン病の原因遺伝子が同定されれば、レックリングハウゼン病だと診断されます。もし、同定できなかった場合は、以下の「臨床診断基準」をもとに判断されます。
6つ以上のカフェオレ斑(小児なら5mm以上)
2つ以上の神経線維腫、または1つのびまん性神経線維腫
脇の下や鼠径部の「そばかす」のような色素斑
視神経膠腫(視神経に発生する腫瘍)
2つ以上のリッシュ結節(虹彩の色素性結節)
特定の骨異常(脊柱の変形や頭蓋骨の欠損など)
レックリングハウゼン病が家族内にいる
また、レックリングハウゼン病の診断後、合併症の有無を確認するために各種検査も行います。合併症は多岐にわたるため、それぞれの専門家の意見をうかがう必要があります。
配信: Medical DOC