化膿性骨髄炎の前兆や初期症状について
化膿性骨髄炎を発症した時の初期症状は以下のとおりです。
発熱
全身の倦怠感
感染部位の痛み
四肢の動かしにくさ・麻痺
化膿性骨髄炎を発症すると、炎症によって発熱や全身の倦怠感がみられます。また、感染した部位の痛みがあり、例えば腰髄(腰骨の骨髄)に感染すると腰が痛いなどの症状が現れます。痛みによって四肢を動かしにくくなるほか、神経症状として麻痺が出現する可能性も否定できません。
症状が慢性化すると発熱や倦怠感といった症状は減少します。しかし、感染による骨の壊死や腫瘍の形成が見られ、外科的手術が必要になる可能性があります。
化膿性骨髄炎の検査・診断
化膿性骨髄炎は臨床所見・血液検査・組織の培養検査・画像所見で検査し、診断します。
臨床所見
化膿性骨髄炎では感染した箇所の四肢に強い痛みが生じるため、感染部位を動かせないことが特徴です。痛みのほか、感染部位の腫れや発赤といった炎症反応、全身の倦怠感・発熱などの全身症状があるかを確認します。
また、上気道や皮膚の感染歴があるかどうかも確認します。
血液検査
化膿性骨髄炎では血液検査で炎症を示す項目(白血球・CRP・血沈など)が高直となります。
ただしこれらの項目は化膿性骨髄炎以外の炎症所見でも高くなる数値です。そのため、血液検査のみで化膿性骨髄炎の診断はできず、ほかの臨床所見や画像所見と併せての判断となります。
組織の培養検査
化膿性骨髄炎では患部から出てくる膿や血液などから培養検査を行います。本来無菌である組織から細菌が確認されれば診断が確定できます。また培養検査によって原因菌の特定を行い、原因菌に応じた有効な抗生剤を選定します。
また、化膿性骨髄炎と悪性腫瘍との鑑別にも培養検査が有効です。悪性腫瘍も化膿性骨髄炎と似た症状を出しますが、治療内容が異なります。そのため、培養によって細菌が検出されるか腫瘍組織が検出されるかで疾患の鑑別を行います。
画像所見
MRIやCTなどの画像所見で、骨髄とその周辺の炎症を確認します。
またレントゲン検査では、感染した骨の骨萎縮像や骨破壊像、骨膜変化像など骨の異常所見がみられるかを確認します。
しかし、化膿性骨髄炎の発症から1週間以内にこのような骨の変化が見られることは少なく、経過の確認として使用されることが多いです。
配信: Medical DOC