IgG4関連疾患の治療
ステロイド投与が第一選択薬となります。比較的高用量で治療を開始し、その後は次第に減らして低用量で維持療法を行います。多くの症例でステロイド治療が効果を示すことが明らかになっています。
維持療法は1〜3年で、症状が安定して維持されている場合はステロイド治療を中断してもよいとされていますが、減量や中断によって約半数で再発がみられます。
再発した場合、ステロイドの増量や免疫抑制薬の併用による治療が行われていますが、再発時の治療法はまだ確立されていません。
IgG4関連疾患になりやすい人・予防の方法
IgG4関連疾患は高齢の男性に比較的多くみられることが報告されていますが、唾液腺や涙腺の障害には男女差がないことがわかっています。
免疫に関係する遺伝子が発症に関係している可能性も指摘されていますが、家族発症はほとんどなく、遺伝性の疾患ではないと考えられています。
IgG4関連疾患の原因や病態はまだ不明な点も多く、予防の方法はありません。生活環境が与える影響なども分かっていませんが、IgG4関連疾患の方の生活上の注意として、アルコールの多飲、喫煙、ストレス、不眠などを避け、規則正しい生活をすることが推奨されています。
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動脈周囲炎
参考文献
日本内科学会雑誌 110巻7号 IgG4関連疾患の最新の病態と診断
厚生労働省 300 IgG4 関連疾患
公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター IgG4関連疾患(指定難病300)
日本IgG4関連疾患学会 IgG4関連疾患2020
配信: Medical DOC
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