耳管狭窄症の前兆や初期症状について
耳管狭窄症の初期症状は、耳がつまったり、ふさがるような圧迫感が見られます。
気圧の変化に敏感になるため、エレベーターの乗り降りや、トンネルに入るときなどに耳の不快感が増すこともあります。
そのほかには、小さな音が聞こえにくくなる伝音難聴や耳鳴り、自分の声や呼吸音がひびいて聞こえる症状も見られます。
耳管狭窄症の検査・診断
耳管狭窄症の検査では純音聴力検査によって伝音難聴の程度、ティンパノグラムや加圧減圧法によって中耳や耳管の状態を調べます。
成人で上咽頭腫瘍が疑われる場合は、内視鏡検査をおこなうこともあります。
中耳の圧が正常よりも低かったり、高い空気圧を直接かけても耳管が開かない場合は、耳管狭窄症が疑われます。
純音聴力検査
純音聴力検査は、ヘッドホンで高さの異なる周波数の音を聞かせ、それぞれの音で聞こえる最小の音量を測定します。
耳管狭窄症では、軽度から中等度の伝音難聴が見られることがあり、高い音よりも小さい音が聞こえにくくなります。
耳管狭窄症の人が純音聴力検査をおこなうと、どの周波数でも聴力が低下する可能性があります。
ティンパノグラム
ティンパノグラムは、専用の耳栓を使用して中耳の状態を評価する検査です。
耳のなかに空気を出し入れできる耳栓を挿入し、耳栓から空気圧をかけたときの鼓膜の動きや中耳の圧力を測定します。
耳管狭窄症では中耳の圧力が低くなります。
加圧減圧法
加圧減圧法は、中耳に直接圧を加えて耳管の開閉機能を評価する検査です。
耳管狭窄症の場合は鼓膜をわずかに切開し耳管に陽圧をかけ、耳管が開いたときの受動的開大圧を測定します。
受動的開大圧が正常値よりも高い場合は、耳管狭窄症が疑われます。
加圧減圧法は耳管狭窄症の検査に向いていますが、受けられるのは耳管機能検査装置を導入している医療機関のみになります。
内視鏡検査
内視鏡検査では、鼻から細い内視鏡を挿入して上咽頭腫瘍ができていないか確かめます。
腫瘍が疑われる病変がある場合は、採取して生検検査にまわします。
内視鏡検査をおこなうと、耳管の開閉機能や周りの炎症状態についても直接確認できます。
配信: Medical DOC