同性からの手助けの方が安心感?
主に視覚障害者が歩行する際などに使用する「白杖」。白杖ユーザーである女性たちにとって、異性である男性からの“手助け”には不安もつきまとう? SNS上でそんな議論が起こっています。これに対して一部の男性たちからは、男性への偏見だという声も上がっています。
きっかけとなったX(旧ツイッター)の投稿は2024年9月26日夜。とあるユーザーが、バス停で白杖を持つ若い女性が困っているのを見掛け、自分も女性である旨を彼女に伝えた上で手助けをしたと報告したことに始まります。これに対しては「グッジョブ!」「親切な方ですね」「同じ女性だと分かると安心感が増す」「すばらしい配慮」といったコメントともに、5万件以上の“いいね”が集まりました。
“親切”と評された理由には、視覚に障害のある人にとって声を掛けてきた相手がどのような人物かという情報を積極的に伝えたという配慮や、加えて女性の白杖ユーザーが男性からボディータッチなどの被害に遭うことが確認されているといった実態があります。
同年1月に読売新聞が報じたところによると、視覚障害女性への性被害に関するアンケート(2021年、日本視覚障がい者美容協会調べ)では、回答者の約7割が「障害に乗じたと考えられる状況で被害に遭った」ことがあり、場所は電車内や街中、具体の内容は同意のないボディータッチ、痴漢や付きまといなどだったとのこと。
また実際にユーザーである女性からも「異性に対して不安に感じることもある」といった実体験が投稿されていました。
ただ一方で、同じくX上では一部の男性ユーザーたちから「全ての男性を性犯罪者のように見なさないでほしい」「警戒されるようなら人助けは出来なくなってしまう」と“不快感”を表す声も聞かれます。
男性側からこうした意見が出るのには背景があります。性犯罪者の被害者の多くが女性であるのに対して加害者の多くが男性であることを挙げて、“男性全体”を加害者江田ルカのように批判する向きがX上では見られるためです。男性ユーザーたちは「男性の99%以上は性犯罪者ではない一般人。性別で一緒くたにしないでほしい」とかねて声を上げ続けてきました。
男性に対する女性からの“警戒”をめぐっては、女性たちから「(服を脱がせる必要がある)自動体外式除細動器(AED)による救急措置を男性にされたくない」「エレベーターなどの閉鎖空間で男性と二人きりになりたくない」などの主張が聞かれていました。
複数の問題をはらんだ今回の議論、あなたはどのように考えますか?
(LASISA編集部)
配信: LASISA
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