糖尿病になると心臓病・脳卒中のリスクが数倍高まるのはなぜ?【医師解説】

糖尿病になると心臓病・脳卒中のリスクが数倍高まるのはなぜ?【医師解説】

動脈硬化を防ぐために

編集部

動脈硬化を予防するためにはどんなことに気をつければ良いのでしょうか?

布目先生

動脈硬化そのものを治療する薬は、現在ありません。そのため生活習慣の改善が必要です。特に食事と運動が重要になります。食事ではバランスのいい内容を心がけること。特に炭水化物や脂質の取り過ぎに注意する、ゆっくりよく噛んで食べるなど気をつけましょう。また適切な運動を継続することも重要です。肥満を解消するだけでなく、悪玉コレステロールを減少させ、動脈硬化の予防効果が期待できます。悪玉コレステロールは動脈硬化を助長するとして知られています。

編集部

悪玉コレステロールを減らすことが必要なのですね。

布目先生

はい。反対に、運動は善玉コレステロールを上昇させ、肥満の改善にもつながりますから、積極的に運動をするようにしましょう。

編集部

ほかに気をつけることはありますか?

布目先生

喫煙は動脈硬化の危険な要因になります。そのため喫煙の習慣がある場合は禁煙するようにしましょう。

編集部

そのほか、医療機関ではどのような治療が行えるのですか?

布目先生

食事療法や運動療法を行っても悪玉コレステロールの減少が見られない場合には、薬物療法を行います。スタチンなどを用いることで、悪玉コレステロールの値を低下させる効果が期待できます。ただし、食事と運動が治療の中心となるので、必ず医師の指示に従って継続するようにしましょう。

編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

布目先生

糖尿病の治療で大事なのは、自分の現状を把握し、今の自分に適した治療や食事療法、運動療法などを行うことです。自己流になってしまうとどうしても生活習慣が乱れ、症状を悪化させる原因になりかねません。定期的に医療機関を受診して、医師の診断のもと食事・運動・薬物療法を行い、動脈硬化を予防しましょう。また、すでに動脈硬化が見られる人は、さらに進行させないためにも、医師の指示に従うようにしましょう。

編集部まとめ

糖尿病は心臓病や脳卒中など、さまざまな疾患を招き、死亡率を高める原因にもなります。しかし、生活習慣を見直すことで、それ以上悪化させないことは十分可能です。糖尿病と診断された人も、予備群と診断された人も、まずは食事と運動の習慣を見直すところから始めてみましょう。

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