●家族は返納理由や影響の捉え方が本人と異なる傾向も
回答者本人ではなく、回答者の70歳以上の親・祖父母(故人を含む)の返納状況についても尋ねました。
「免許を持っている70歳以上の親・祖父母が全員返納した」が22.8%、「免許を持っている70歳以上の親・祖父母のうち、返納した人も返納していない人もいる」が13.8%となり、「返納した70歳以上の親・祖父母が1人以上いる」に当てはまる回答は36.6%にのぼります。
一方、「免許を持っている70歳以上の親・祖父母が誰も返納していない」との回答は31.1%でした。
「免許を持っている70歳以上の親・祖父母が全員返納した」、「免許を持っている70歳以上の親・祖父母のうち、返納した人も返納していない人もいる」と回答した人を対象に、70歳以上の親・祖父母が返納した理由を尋ねたところ、「運転能力に衰えを感じたから」が58.4%が最多でした。
60代以上で「現在までに免許を返納した」または「返納する予定」と回答した人の返納理由で最多だった「免許がなくても生活に支障ないから」(51.1%)は、ここでは16.0%に留まりました。返納者本人と家族との間で、返納理由や返納後の生活への影響に対する捉え方が異なるケースが少なくないのかもしれません。
返納後の代替となる移動手段についても、60代以上で「現在までに免許を返納した」または「返納する予定」と回答した人が「家族・身内が運転する車に同乗」を挙げたのは8.9%でしたが、子・孫目線では55.6%と最多でした。
返納後に発生した不都合としては、「日常生活(買い物など)」が53.2%ともっとも多く、「通院」の46.3%が続きました。「趣味」は18.3%に留まりました。
●意外?返納の要望「伝えたことがない」が最多
「免許を持っている70歳以上の親・祖父母のうち、返納した人も返納していない人もいる」、「免許を持っている70歳以上の親・祖父母が誰も返納していない」と回答した人を対象に、免許を持っている70歳以上の親・祖父母の今後の返納について尋ねたところ、「返納させたい」が44.1%で、「返納させるつもりはない」の23.0%を上回りました。
もっとも、「わからない」が35.4%にのぼるなど、子・孫が判断することなのかという迷いも垣間見えました。
返納の要望を伝えたことがあるかを尋ねたところ、「伝えたことがない」が最多の57.4%でした。
配信: 弁護士ドットコム