●家族は親・祖父母の事故を懸念する傾向
「免許を持っている70歳以上の親・祖父母のうち、返納した人も返納していない人もいる」、「免許を持っている70歳以上の親・祖父母が誰も返納していない」と回答した人を対象に、返納させたいか否かに関わらず、返納させたいとした場合の理由について尋ねると、「事故を起こす可能性があるから」が53.6%、「高齢者の事故を見て怖くなったから」が46.0%と続き、家族が父・祖父母の運転を心配する回答が目立ちました。
返納しない理由について尋ねると、「代替の移動手段に乏しく生活に困るから」が64.6%で最も多く、「本人が運転能力に問題ないと思っているから」が45.8%で続きました。
もし返納させた場合に代替となる移動手段については、「タクシー」が53.4%と最多で、「徒歩」(48.3%)、「家族・身内が運転する車に同乗」(46.4%)、「路線バス・ コミュニティバス」(46.2%)と僅差で続きました。
もし返納させた場合に起こりうる不都合について尋ねると、「日常生活(買い物など)」が最多の83.3%で、「通院」の69.8%とともに、“日常の足”に困ることを懸念していることをうかがわせる結果となりました。
●賛否両論「免許失効の法制度を」「若い人も事故を起こしている」
自由回答で、免許返納に対する70代以上の回答者の意見として、以下のようなものがありました。
【返納したor返納予定の人の意見】
「判断能力の衰えを自覚しないで運転を続けるのは自分勝手。免許の自主返納に期待するよりも、運転能力テストで一定点数に満たない高齢者は免許を失効させる法制度が必要」(70代男性)
「今まで免許証を身分証明のために使用していたが、マイナンバーカードの存在もあり更新しない判断の一因となった」(70代男性)
「公共交通機関が利用できない区域ではタクシー代が負担になる。地方都市では返納のデメリットが多く、返納が早すぎたと後悔しきり」(70代男性)
【返納していない(返納予定なし)人の意見】
「個人差が大きい運転能力について、年齢でひとくくりにするのには反対」(70代男性)
「運転しなくなると、逆に認知機能が低下する」(70代男性)
「高齢者の免許証更新の実技が甘すぎる」(70代男性)
「過信なく自らの現在の状況を認識していれば、ある程度の高齢になっても運転可能だと思う」(70代男性)
「若い人も事故を起こしている事を忘れてはならない。車の安全装置で安全を確保する事が大切」(70代男性)
「近い将来、自動運転の車が普及した場合に備えて持っておこうと思う」(70代男性)
配信: 弁護士ドットコム