●交通問題に詳しい平岡将人弁護士のコメント
75歳以上の高齢者運転による死亡事故件数は、割合的に75歳未満の2倍以上の発生件数であり、原因もハンドルやブレーキの操作ミスの割合は75歳未満のおよそ2.7倍となっています(2023年度)。警察は、高齢者の免許の更新の際に認知機能検査等を行うことに加え、75歳以上の免許保有者に一定の違反行為があった場合に、臨時認知機能検査等を受けさせるなどの対策をしています。
現在は、免許の自主返納については、移動の代替手段がない場合に生活の質を下げることになり、返納を強く勧めるのも難しいところです。そのなかで、今回のアンケートで運転能力に衰えを感じて自主返納したとの回答が多いことに驚き、素直に尊敬しました。
高齢ドライバーが事故を起こしてしまうと、被害者の苦痛は言うまでもありませんが、加害者となった高齢者も、人生の最後の大切な時間に重荷を負ってしまうことになります。
日々、安全運転を心がけてほしいと思います。
【取材協力弁護士】
平岡 将人(ひらおか・まさと)弁護士
中央大学法学部卒。全国で10事務所を展開する弁護士法人サリュの前代表弁護士。主な取り扱い分野は交通事故損害賠償請求事件、保険金請求事件など。著書に「交通事故案件対応のベストプラクティス」ほか。実務家向けDVDとして「後遺障害等級14級9号マスター講座」「後遺障害等級12級13号マスター講座」など。
事務所名:弁護士法人サリュ銀座事務所
事務所URL:http://legalpro.jp/
配信: 弁護士ドットコム