大腸がんに罹患したら、痛みや症状があると感じている方も多いのではないでしょうか。実は、進行するまで無症状なことが多い病気です。
大腸がんに気づくためには、便の状態を知ることも大切です。血便・便の硬さなどに変化が現れること以外にも、貧血・嘔吐などのその他症状が現れるようになります。
今回は大腸がんの症状や便の状態を解説していきますので、病気を見逃さないためのヒントにして頂けましたら幸いです。
≫「大腸がんの前兆となる初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!
※この記事はMedical DOCにて『「大腸がんを疑う便の特徴」はご存知ですか?初期症状も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
大腸がんとは?
大腸表面の粘膜に発生する悪性腫瘍のことです。結腸・直腸・肛門の中でも、S状結腸と直腸にがんができやすいといわれており、これは便が滞在する時間が長いことが関係しています。
日本では男性の10人に1人、女性の12人に1人の割合で大腸がんと診断されており、女性のがんによる死亡者数第1位となっています。50歳代から年齢とともに罹患率の上昇がみられ、原因として運動不足や野菜・果物不足・特に食の欧米化が大きく関与しており、この20年で大腸がんによる死亡者数は約1.5倍と増加傾向です。
罹患しないように食生活を見直すこと、毎年がん検診を受けることで早期発見ができ進行のリスクを下げることが可能です。
大腸がんの便の特徴とは?
初期症状はほとんどありませんが、進行すると以下のような便の特徴がみられるようになります。
血便
便が細くなる
便秘
下痢
残便感
血便は、出血量によっては肉眼で気づかないこともよくあります。このような便の変化がみられた場合でも、大腸がんと決まったわけではないため、まずは検査を受けることが大切です。
他にも、下痢と便秘を繰り返す・肛門痛・治りにくい痔がみられる場合もあります。また、大腸ポリープがみつかったことがある・10年以上潰瘍性大腸炎に罹患している・家族に大腸がん患者がいる場合も大腸がんになるリスクがありますので注意が必要です。
配信: Medical DOC