公園をめぐる、子育て世帯と高齢者の“対立”にストップを
――利用者にとっても、活動の場所が増えていきますね。
大場「そのためにはいろんな手段があると思います。杉並区が今行っていることが正解というわけではないので、そこは試行錯誤しながらすすめていきたいです。
また、SNSで公園での禁止事項が話題になると、“高齢者が子どもにルールを強要しているという”ニュアンスで反応されることが多々あります。実際、新しい公園のルールを試行した際、私たちのところにも『高齢者ではなく、子どもの立場になって考えてくれてありがとう』というお声をたくさんいただきました。
こういった声はもちろん励みになりますが、ただ、今回私たちが新しい公園のルールで伝えたかったのは、高齢者よりも子どもを優先したという対立の話ではありません。そのことは、皆さんにご理解いただきたいです。
いずれ私たちも歳をとっていきます。生活や状況や環境が変わる中で、いろんな世代の方にとって憩いの場所になればと感じています。公園は『ちょっとした交流をもったら意外に楽しかった』『おじいちゃんと話したら、意外に盛り上がった』という、世代や状況を超えた交流ができる可能性を秘めた場所だと信じています」
他の自治体にとっても、ルールを見直すきっかけになれば
杉並区の新しい公園のルールは「作って終わり」ではなく、ルールをきっかけに利用者が公園を居心地の良い空間に育てていくことが最終目的だと知りました。利用者を縛るためのルールではなく、利用について考えるためのルールにしたい。そんな杉並区の思い、皆さんはどう感じたでしょうか。
現在は試行段階だという「新しい公園のルール」。他の自治体にとっても、ルールを見直すきっかけになればと、願わずにはいられません。
<取材・文/瀧戸詠未>
【瀧戸詠未】
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB
配信: 女子SPA!
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