「お酒は百薬の長」という古い言葉のように、程よい飲酒は私たちの体に良い影響をもたらします。
血行を良くしたりリラックス効果があったり、初対面の方でも一緒にお酒を囲めば、心の距離が一気に縮まることもあるでしょう。
しかし、過度な飲酒が重なると「お酒は万病のもと」へと豹変します。
この記事では、お酒が原因の数ある症状の中でも、アルコール依存症に焦点を当てて解説します。
原因や治療法・予防方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
≫「アルコール性肝障害」を発症すると現れる症状・飲酒以外の原因はご存知ですか?
※この記事はMedical DOCにて『「アルコール依存症」になると現れる初期症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
アルコール依存症の予防方法
アルコール依存症を防ぐ方法が知りたいです。
アルコール依存症を防ぐ方法として最も有効的なのは、お酒を飲まないことです。とはいっても、多くの方にとって全くお酒を飲まないことは不可能かもしれません。そのため、適量を守って飲酒することを必ず心がけるようにしてください。
適量というのは男性で1日20グラム、女性で1日10グラム以内です。ビールの500ml中瓶1本でアルコール量は20グラムですから、想像よりかなり少ない量だと感じるでしょう。しかし、現在お酒を飲む機会が多いという方ほど、特に適量の飲酒を心がけなければ予防にはなりません。
アルコール依存症の再発を防ぐ方法を教えてください。
アルコール依存症を再発させないためには、医師の指示に従ってしっかり治療を受けること・家族や周囲の助けを借りることの2つが非常に大切です。アルコール依存症にかかると、断酒して症状が緩和されたとしても、その後一度でも飲めばまた元の状態に戻ってしまいます。
本人の治したいという強い意志や治療への積極性も大切ですが、家族をはじめとした周囲のサポートも欠かせません。自分一人で抱えることなく周囲の環境にも目を向け、遠慮することなく頼るようにしましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
アルコール依存症は本人がお酒に強い・弱いに関係なく、習慣的にお酒を飲む方であれば老若男女誰でもかかりうる病気です。
アルコール依存症は薬物依存と同じであり、気づいた頃には後戻りすることができないほどに症状が進行しています。症状が進行すればするほど、治療はきつい道のりとなるでしょう。
アルコール依存症にならないためには、普段から適量の飲酒を心がけることが大切です。「百薬の長」に収まる程度でいられるよう、自制心を持って上手に付き合っていきましょう。
編集部まとめ
今回は、お酒を飲むことに対してコントロールができないほどにアルコールに依存してしまうアルコール依存症について解説しました。
アルコール依存症は決して特別な病気ではなく、お酒を飲む習慣がある方であれば誰でもかかりうる病気です。
しかし多量飲酒を避け、適量の飲酒を守ることを心がけていれば、予防できない病気ではありません。
アルコール依存症の正しい知識を身につけ、飲酒へのリスクをしっかり把握しておきましょう。
参考文献
アルコール依存症の症状とサイン(依存症対策全国センター)
飲酒の基礎知識(アルコール健康医学協会)
配信: Medical DOC
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