「子宮頸がんの生存率」はご存知ですか?ステージ別の治療法も解説!【医師監修】

「子宮頸がんの生存率」はご存知ですか?ステージ別の治療法も解説!【医師監修】

子宮頸がんは、若い世代でも発症率が高いとされている疾患です。初期症状が出にくい傾向にあり、発見が遅れるケースも少なくありません。

「もし子宮頸がんの発見が遅れたら」と不安な方も少なくないでしょう。

本記事では、子宮頸がんの概要・5年生存・治療方法・再発について詳しく解説していきます。ぜひ一読ください。

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監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

子宮頸がんとは?

子宮頸がんは子宮頸部とよばれる子宮の入り口に近い部分にできるがんで、子宮頸がんの罹患者数は女性特有の病気でみると乳がんに次いで発症率の高い病気です。
20代後半から子宮頸がんの発症率は増加し、40代以降でほぼ一定数の発症率になっていきます。子宮頸がんの主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)です。
HPVは性交渉によって感染するため、若い世代の発症リスク増加に大きく関わっています。ただし、HPVに感染すると子宮頸がんも発症するわけではありません。
ほとんどの場合、HPVに感染しても人体の免疫機能によりウイルスが排除され、2〜3年で感染が自然治癒します。
しかし、何らかの原因でウイルスが排除されず持続感染すると、子宮頚部の細胞ががん化します。
このがん化は前がん状態と呼ばれ、子宮頸がんになる確率は約20%です。残りの約80%は前がん状態のまま経過するか、一部が自然消失します。
子宮頸がんは早期発見しやすいがんですが、症状が進行すると治療が難しくなるため早期発見が重要です。

子宮頸がんの5年生存率

子宮頸がんに限らず、がんの治療成績を示す指標の1つが生存率です。生存率は、がんと診断されてからある一定の期間経過した時点で生存している割合を指しています。
がんの治療成績を表す生存率は、診断から5年後の生存割合を使用するのが一般的です。

ステージ1の5年生存率

5年生存率はステージ全体での割合になります。ステージ1の5年生存率は以下のとおりです。

1年:99.0%

2年:97.3%

3年:95.7%

4年:94.3%

5年:93.3%

1年目と5年目では6.3%も生存率が下がります。

ステージ2の5年生存率

ステージ2の5年生存率は以下のとおりです。

1年:96.0%

2年:88.4%

3年:83.1%

4年:79.5%

5年:76.5%

上記からもわかるとおり、ステージ1の5年生存率とステージ2の5年生存率の差は16.5%にもおよびます。
ステージが1つ上がるだけで15%以上も生存率が低くなる程、子宮頸がんは恐ろしい病気です。

ステージ3の5年生存率

ステージ3の5年生存率は以下のとおりです。

1年:90.6%

2年:78.7%

3年:70.4%

4年:65.4%

5年:62.2%

ステージ1の5年生存率とステージ3の5年生存率の差は31.1%にもおよびます。5年生存率は年齢や手術の有無を問わず、子宮頸がんを発症した罹患者数から実測で割り出された数値です。

ステージ4の5年生存率

ステージ4の5年生存率は以下のとおりです。

1年:62.9%

2年:42.2%

3年:32.7%

4年:27.7%

5年:25.1%

ステージ1の5年生存率とステージ4の5年生存率の差は68.2%にもおよびます。ステージ4の恐ろしいところは2年目から急激に50%を下回っていくことです。
数値では一目瞭然ですが、子宮頸がんが進行すればする程、5年生存率は著しく低下していくため注意が必要です。

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