監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科
マルファン症候群の概要
マルファン症候群は、全身の結合組織が弱くなる遺伝性疾患です。結合組織は、骨や皮膚、血管など身体の構造を支える役割を果たしており、弱くなると全身の臓器や組織に異常が生じます。例えば、大動脈瘤や大動脈解離、骨格変異、自然気胸、水晶体亜脱臼などの症状が現れます。
この疾患は、常染色体優性遺伝であり、両親のいずれかが罹患している場合に起こりやすいです。原因はフィブリリン、TGFβ受容体です。フィブリリンは、細胞を構成する物質であり、異常により全身の結合組織が弱くなります。また、TGFβの過剰な活性化が関与しているとも言われています。
マルファン症候群の原因
マルファン症候群の原因は、フィブリリン1(FBN1)遺伝子の変異です。この遺伝子は結合組織の重要な構成要素であるフィブリリンというタンパク質の情報を持っています。フィブリリンは、細胞外マトリックスの一部として、組織の弾性や強度を保つ役割を果たしています。
FBN1遺伝子の変異によりフィブリリンの生成が不完全になり、結合組織が弱くなるのです。結合組織の弱化は、身体の成長と発達に大きな影響を与え、心血管系、骨格系、眼の異常を引き起こします。
配信: Medical DOC