中高年の慢性的な「浮腫(むくみ)」は黄色信号!むくみの予防方法と受診の目安【医師解説】

中高年の慢性的な「浮腫(むくみ)」は黄色信号!むくみの予防方法と受診の目安【医師解説】

慢性下肢浮腫の予防方法

慢性下肢浮腫の場合、ふくらはぎの筋肉を動かしたり、血液やリンパ液の流れを活性化させたりすることが大切です。ここからは、自宅で簡単にできるむくみの予防方法を3つ紹介します。

足の筋肉を使った運動をする

足の筋肉を維持するためには、階段の上り下りや足首を回してほぐす、あお向けで両足を上げるなどが有効です。軽いむくみであれば、15~20度を目安に枕などを足の下に入れておくだけで改善することもあります。

<かかと上げ運動>
1.膝が90度になるよう椅子に座る
2.こぶし1つ分足を開き、両足のかかとをしっかりと持ち上げて、ゆっくりと下ろす
3.5回~10回程度を1日3セットおこなう

ふくらはぎをマッサージする

血管が多いふくらはぎを、つま先から心臓に向かってマッサージします。強くもむのではなく、気持ちよい範囲でやさしくもみほぐすイメージでおこなうのがポイントです。自分で体が動かしにくい場合は、家族と一緒にリハビリ感覚でおこなってみましょう。

<むくみ予防マッサージ>
1.足首を回し、上下に動かす
2.つま先から足首、ふくらはぎをゆっくりとさする
3.アキレス腱をやさしくつまみ、10秒ほどもみほぐす

マッサージは、5分程度など取り組みやすい時間から始めて、徐々に時間を増やしていきましょう。1日のうちいつでも良いので実施し、足の筋肉を毎日動かし続けることが大切です。

塩分をとりすぎない

厚生労働省が提唱している以下の摂取量を目安に、塩分摂取を控えましょう。塩分・水分を体外に排出するカリウムやビタミンEを含むフルーツや大豆製品を積極的に食事に取り入れるのもおすすめです。

<摂取目安>
・塩、しょうゆ、味噌などに含まれる「ナトリウム(食塩相当量)」6g/日……食塩を小さじ1程度
・いも類や野菜、海藻類などに含まれる「カリウム」3,510mg以上/日……乾燥した切り干し大根を1食分(10g)程度
・アーモンドや魚介類に含まれる「ビタミンE」……男性6.5mg/日、女性6.0mg/日……素焼きアーモンド20粒程度

※ナトリウムやカリウム、ビタミンEは他の食材にも含まれるため、バランス良く取り入れるようにしましょう。

むくみが気になったら何科を受診?

まずは本人の病歴や生活習慣、服薬状況を知るかかりつけ医に相談しましょう。状況により、適切な医療機関へ紹介してくれる場合があります。

一般的に、むくみが気になる場合は内科を受診するのがおすすめです。どの科でもむくみの診察自体は可能ですが、むくみの原因を知るためには血液検査などが必要となります。形成外科やリハビリセンターでも相談はできますが、そういった検査に詳しくない場合があるため、循環器内科や一般内科を受診しましょう。

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