秋の夜に寄り添う栗の黒ビール
毎年、涼しい季節になると必ず飲みたくなるビールがある。宮崎ひでじビールが手がける、宮崎県産の「栗」を使って造られるビール。国内外のビールコンペティションで数々の賞を受賞している、実力ある1本だ。
グラスに注いだときのこっくりと深みのある液色が、なぜかいつも私を安心させてくれる。飲み心地はまろやかで、上品な栗の香りが広がり、重厚感を口いっぱいに感じる。その香りとコクの調和に毎回驚かされる。
少しずつ口にしながら読書のお供にしてみたり、冷蔵庫で冷やしておいたバニラアイスにビールをかけてみたり。今年はどう楽しもうか。瓶内でゆっくり熟成させれば、さらにまろやかさが増して違う顔を見せてくれる。2本買って、もう1本は1年後の自分へ贈るのもいいかもしれない。
文・酒井由実
【今月のビール】栗黒 KURI KURO Dark Chestnut Ale
ブルワリー|宮崎ひでじビール
出身地|宮崎県延岡市
スタイル|インペリアルスタウト
秋の味覚度|★★★★★
■あじわい・香り
宮崎県産の栗を使ったアルコール度数9%のビール。コーヒーのようなフレーバーで、栗の香りと重厚なコクを楽しめる
■ラベル
日本の伝統を広く伝えたいとの想いから、延岡市に所蔵される「天下ー」の称号を授かった能面をモチーフにしている
■おいしいグラス:タンブラーグラス
濃厚な栗の香りや、コーヒーのようなロースト感を逃すことなくしっかりと感じられる、円筒形のグラスがおすすめ
■ナイスペアリング(1):かぼちゃのきんぴら
香ばしい醤油の香りとかぼちゃの甘みが、秋の味覚をいっそう豊かに感じさせる
■ナイスペアリング(2):高カカオチョコレート
大人のデザートにぴったり。数種類のチョコと食べ比べするのもおもしろい
■ビールに合う本:佐藤正午『月の満ち欠け』
静かに心に沁み込む1冊。物語の余韻とビールの重厚感で秋の夜が特別な時間に
配信: OZmall