アラサー突入したどり着いたのは「俺は俺でいいや」
――6月に誕生日を迎えられ27歳になりましたが、20代後半になって意識の変化などありましたか?
伊藤:全然そういう感じがしないんです。同級生と話していて、自分たちそろそろアラサーだねと。四捨五入をすると世間的にはそうなのかと(笑)。精神年齢が17、18歳くらいで止まっていて。そのときに自分が見ていた30歳の方たちって、確かに大人に見えたんですよ。
20歳くらいの子たちと現場やプライベートで会うと、自分がそう見えているのか不安で。いざ自分がその年齢になってみると、そうでもないなって思ってしまう部分があって、どうしてもまだまだ拭えない。大人にならなきゃなと思うと同時に、大人になりたくないという間で戦っていますね(笑)。
――また、自分の伸ばしたい点と言いますか、今課題に感じていることはありますか?
伊藤:自分のスタイルですかね。確立しないといけないと思っているんです。今「伊藤健太郎って何?」と聞かれたとき、「これです」と自信を持って言えるものがないなと。そろそろ伊藤健太郎を確立していく年齢に入ってきたんだと思う。自分の曲げないスタイルを作りたいです。
ただ、自分の中ではスタイルを確立したいと同時に、柔軟にいろいろなことにも対応したいんです。ということは、そういうスタイルでいいのかななどといろいろと考えていくと、ドツボにハマッてしまう。だから最終的にたどり着いたのは、俺は俺でいいや、と。そういう感じで今はいます(笑)。だから40代、50代になったとき、どうなっているか楽しみですし、あんまり考えて目指すものでもないのかなと。
年を重ねても夢を追いかける“大先輩”の存在
――お手本があるとよいですね。
伊藤:最近映画でご一緒して以来、かわいがっていただいている大先輩で、岩城滉一さんはカッコいいなと思う方ですね。
――どんな感じなのでしょうか?
伊藤:他人に興味がなさそうに見えながら、マメに連絡をいただいたり、ギャップがあるんです。あとは会うたびに「とにかくお前、カッコよくいろよ」と言ってくださる。でも意味が分からないから「カッコいいって何だろう?」と聞くと、「お前が考えることだから」と教えてくれないんですよ(笑)。
――きっとご自身の中には、確固たる答えはお持ちなんでしょうね。
伊藤:あとは年を重ねても夢を追いかけていらっしゃるんです。バイクのレースに出て優勝しちゃうんですよ。若い子も出ている中で。もちろん練習もしていらっしゃる。自分の知っている70代、80代は落ち着きに入るけれど、岩城さんはまったく落ち着かない。ずっと少年のような感じで、本当にカッコいいんです。自分もそんなイケオジになれるように、いい歳の取り方をしていきたいですね。
<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。
配信: 女子SPA!
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