インド洋ダイポールモード現象とラニーニャ現象の同時出現と猛暑との関係
正のインド洋ダイポールモードとラニーニャ現象が同時出現すると、より暑い夏になります。まずは以下の表をご覧ください。
筆者作成:海洋変動が日本の夏の気候にもたらす影響
ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米にかけての海面水温が高くなる現象のことです。
ラニーニャ現象が起こると、夏の晴れや暑さをもたらす太平洋高気圧が日本付近を覆いやすくなり、高温をもたらします。
太平洋高気圧の勢いが強い状態で、さらに正のダイポールモード現象によって暖められた偏西風やチベット高気圧がやってくると、地上から上空まで気温が高い状態になります。
過去には、2007年の夏にラニーニャ現象と正のダイポールモード現象が同時に出現しました。2007年は8月を中心に記録的な暑さとなり、岐阜県多治見市では当時の国内最高気温の記録を更新しました。
また、ラニーニャ現象も正のダイポールモード現象も、太平洋高気圧やチベット高気圧の影響で晴れる日が多く、西日本や東日本を中心に夏と秋の降水量が少なくなる傾向にあるため、水不足も起こりやすくなります。
配信: 防災ニッポン