9月28日放送の「喫茶しのぶ」(日本テレビ系)を見て驚いた。この3人の名前が「しのぶ」という共通点があることから、大竹しのぶが喫茶店のオーナー、坂上忍が喫茶店のマスター、お笑いコンビ・シソンヌ長谷川忍がアルバイトという設定でMCとなってゲストを招く、トーク番組をしていたからだ。
同局では1974年にスタートした「おしゃれ」に続き、現在も続いている「おしゃれクリップ」に至るまで、MCを複数人据えてゲストを招くトーク番組を放送しているが、これだけ独自のカラーが強い3人をまとめてMCに据え、さらにゲストを加えるという、濃厚スムージーのような番組が土曜の昼下がりにオンエアされたのだ。
番組冒頭では、3人がそれぞれ本名であることを確認しつつ、名前の由来を発表。長谷川は「我慢強く生きるようにということで。忍耐の“忍”で」、兄を持つ坂上は「(親が)2人目は絶対女の子と思っていたから。決め打ちですよ」と命名理由を説明した。
すると、大竹が「私は、聖書から取ったんです」と明かす。と、坂上は「え~っ、ほんとに!?」と驚きの声をあげ、長谷川は「聖書にそんなフレーズがあるんですね?」と別の角度で驚きながら質問。大竹は「“最後まで耐え忍ぶ者は神から救われる”っていう、そういう言葉があって。でも全然耐え忍んでない」と言い、いつもの「えへへ」とも「うふふ」とも言えない「しのぶ笑い」をして2人を笑わせた。
この日のゲストは光石研、劇団ひとり、お笑いコンビ・ガクテンソクの3組。「お忍びで」喫茶しのぶに現れたという設定だ。
光石は故・中尾彬さんと共演した時に「自分はこういう演技はできない」と感じたことを明かしたり、小林薫に艶気を感じる、役所広司はすごいと思ったなどとトークを展開。劇団ひとりは「芸人の芝居」としてビートたけしの芝居を“芝居をしない芝居”だから好きだと語った。また、ガクテンソクの奥田修二は、現在の長谷川の仕事を明日にでも全部奥田が替わっても大丈夫だと、長谷川自身から太鼓判を押されるなど、たった40分間でかなり濃い内容のトークが展開された。
幼い頃からのテレビっ子としては、どうかこの番組を単発で終わらせず、レギュラー番組にブラッシュアップしてほしい。あえてこんなことを言わなくても、きっと日テレ側もそのつもりだとは思うが、大竹、坂上、長谷川の組み合わせはとてもおもしろかった。特に、長谷川のことをおもしろいと感じていなかった大竹が、今後があるならどのように変化するのか注目したい。
(森山いま)
配信: アサジョ
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