マイナンバーの普及、活用についてどう思う?
2024年6月、政府は犯罪対策閣僚会議を開催し、携帯電話を用いた特殊詐欺などの犯罪を減らしたい考えを理由に、携帯電話契約時の「対面」での本人確認について、マイナンバーカードなどに搭載されているICチップの読み取りを義務づけること、また、2024年12月2日をもって、現行の健康保険証の新規発行をやめ、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」へ移行することを閣議決定しました。世間では、携帯電話の契約時、マイナンバーカードによる本人確認の義務化や、マイナ保険証についてどのように思っているのでしょうか。
ドリームプランニングが運営する不動産のお悩み解決サイト「URUHOME(ウルホーム)」が、「マイナンバーカード」に関する調査を実施し、その結果を発表しました。調査は、2024年8月、時事問題や社会情勢に興味・関心を持っている男女500人(女性249人/男性251人)を対象に、インターネット上で行われました。
それによると、携帯契約時のマイナンバーカードによる本人確認の義務化について、約40%の方が賛成と答えました。しかし、どちらとも言えないと回答した人も36.2%おり、判断が難しい状況であることがわかります。
実際に、1位の回答は、どちらとも言えない派の意見「メリットもデメリットもある」が22%でした2位は「不正の予防に有効」17.8%、3位「手続きがスムーズになる」15.4%で、「マイナンバーカードの義務化」に賛成する意見でした。
1位の「メリットもデメリットもある」と回答した人は、理由に、
「セキュリティ面など、確かにメリットは存在すると思うが、政府主導というのが引っかかるというか、漏洩等のリスクは確実にあると思う(30代・男性)」
「マイナンバーカードを持っていない方もいるし、マイナンバーカードの安全性もうたがわれる(40代・女性)」
「運転免許証以外に顔写真付きの本人確認手段としてマイナンバーカードが使えることは良いと思うが、手段は選択式で良いと思う。(40代・男性)」
「全てマイナンバーカードに集約することは一見便利・効率的に見えるが、情報漏洩時のリスクが非常に高い。(30代・女性)」
など挙げています。
2位の「不正の予防に大変有効」と回答した人は、理由に、
「マイナンバーカードはICチップの読み取りこそ意義があり、これまでのような券面確認だけでは、紙類カードと同レベルのセキュリティ対策になってしまう。したがって、ICチップの読み取りを義務づけることは妥当。50代・男性)」
「様々な場面で不正契約の携帯電話が利用されている。この不正入手した携帯電話を利用して詐欺などが発生しているので、少しでも抑制するために必要だと思います。(50代・女性)」
「不正防止のために義務化はいいと思う。ただし、目視確認だけだといままでの本人確認とかわらないので、専用の機械でスキャンするとか、不正が多ければ暗証番号入力などもしたほうがいいかもしれないと思いました。(40代・男性)」
「義務化に反対の人は携帯電話を良からぬことに使えなくなるのが困るのでしょう。(40代・男性)」
など、犯罪防止の役割として期待する意見でした。
3位の「手続きがスムーズになる」と回答した人は、理由に、
「現在の手続きが手間なのでICチップの読み取りだけで本人確認できるのは時間を有効活用できるため。(30代・男性)」
「公的な手続きが簡素化されて良いと思う。セキュリティ面の強化はしないといけないですが。(30代・女性)」
「マイナンバーカードを使うことで本人確認が迅速かつ確実に行われるでしょうし、契約手続きがスムーズになるという利点があり、不正契約の防止にも役に立つかもしれません。(40代・男性)」
「情報漏洩等の不安はあるが、面倒な手続きの簡略化は時短効果もあって助かる。(40代・男性)」
など、手続き関係の利便性を挙げました。
次に、マイナ保険証への移行で、健康保険証が新規発行されなくなることに関しても聞いてみたところ、賛成37.2%、反対32.4%、どちらとも言えない28.2%と意見が拮抗しました。
1位は「メリットもデメリットもある」で15.4%。
「前に、システムエラーで機能しなかった時があったのが不安(40代・女性)」
「マイナンバーカードを持ち歩く事になる点に少し不安を感じます。(40代・男性)」
「医療現場での大変さはもちろん、高齢者の理解度の不安は大きい気がする。(30代・女性)」
「高齢者の更新手続き、個人情報の安全性、病院にかかる設備投資など問題が多いのでそこをクリアにすべきだと思います(50代・女性)」
など、システム面の問題や情報漏洩リスク、マイナンバーカードを作らない人へのフォローを懸念する声がありました。
2位は「転職などの手続きが不要に」10.6% でした。
「カードが一枚で済み、かつ、異動時にも気にせず使えるのは良い。ただ、実際に使ったものの、お薬手帳との連動ができていなかったり、毎回カードを持参しなければならないなど改善の余地はあると思う。また、災害時などに利用できるのか不安もある。(30代・女性)」
「病歴などもすべて把握できれば紹介状とかもいらなくなったり、いちいち救急車ですべてを説明したりしなくていいようになるのなら、もっと業務上スムーズなのではないかと思っています。大いに活用していただきたいです。(40代・女性)」
「今のペラペラの保険証の方が私は信用できない。(30代・女性)」
「就職→独立を2度繰り返しました。現在はフリーランスです。国民健康保険証の手続きは非常に煩わしいです。再発行したり、脱退したり。マイナ保険証への一本化で、私たち利用者の負担が少なくなると考えます。セキュリティ対策は幾分不安であるものの、システムの信頼性は課題として明確化されています。今後、より安心できる制度になると思います。(40代・男性)」
3位は「正確な医療情報を共有できる」9.6% 。
「お薬手帳を持ち歩いていない時の緊急入院なども、起こり得るので正確な医療情報の提供ができるのは良いと思う。諸々の手続きの一元化ができるのも良い。(40代・女性)」
「現行の保険証だと、外国人が不正使用してたり問題が多い。賛成です。(40代・男性)」
「顔写真のない保険証が第三者へ貸し借りされていたりしていたので、本人確認が厳格になることでより適切でより効率的になると思う。(40代・女性)」
「お薬手帳を持ち歩かなくてもよくなるので便利だと感じます(30代・男性)」
「カードの保険証と併用するよりもマイナ保険証に一元化することのメリットがはるかに大きい。社会全体でコストが最適化されるので、その費用を色々な対策に使えば良い。(40代・男性)」
など、医療情報一本化による、正確な医療体制を期待する声がありました。
一方で、「任意取得の原則に反する」の声も……。
「マイナンバーカードの取得が任意であるのにマイナ保険証の実質義務化を進めることで、マイナンバーカードの取得を迫らせるやり方に不信感を覚える。(30代・女性)」
「マイナンバーカードを持たない人間へのケアがまったく足りていないため(40代・男性)」
「マイナンバーカードの取得は任意のものなので、という意見と保険証はこちらが保険料を支払っているので、勝手に廃止するというのは納得行かないため。(30代・女性)」
「マイナンバーカード取得のために必要なものを「人質」にとるようなやり方はよくない。(40代・男性)」
など、任意取得と言っておきながら実質上の義務化であることに反発、不信感をあらわにするの声がありました。
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自民党総裁の石破茂氏が10月1日に第102代内閣総理大臣に選出され、石破新内閣が発足しました。石破首相は、「マイナ保険証」について、自民党総裁選への出馬を表明した9月8日、現行の保険証廃止について「併用も選択肢」と発言していたのにも関わらず、10月7日の衆院本会議でマイナ保険証について問われた際に、「現行の健康保険証の新規発行終了は、法に定められたスケジュールにより進めていく」と発言しています。
あなたは、マイナンバーカードの普及・活用について、どう思いますか?
(LASISA編集部)
配信: LASISA
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