同じセルティックでも古橋亨梧が“構想外”で前田大然は日本代表に重宝され続けるワケ

 スコットランドのセルティックでゴールを量産してきたストライカー・古橋亨梧がまたしても日本代表からお声がかからず、“構想外”の日々が続いている。W杯アジア最終予選でサウジアラビア戦(10月10日)とオーストラリア戦(10月15日)を控えるも、3日に発表された代表メンバーには古橋の名前は含まれていなかった。

 2021年7月にJ1・ヴィッセル神戸からセルティックへ移籍した古橋は、加入後すぐにチームの頼れるゴールゲッターとして定着し、ケガでの離脱もありながら、初年度から20試合12得点と大暴れ。得点ランキングでは2位につき、スコティッシュリーグにおける年間ベストイレブンにも輝いた。

 翌シーズンは公式戦34ゴールを挙げ、日本人初となる欧州主要リーグでの得点王に君臨。セルティックも国内での3冠を達成するなど、チームも古橋も絶好調のシーズンを過ごしている。

 しかし、こと日本代表においては、昨年10月に招集された親善試合が最後で、W杯アジア最終予選や、今年初めのアジア杯など、“絶対に負けられない”公式戦では森保一監督からの誘いはなかった。

 遡れば、22年のカタールW杯でもメンバー入りできず、悔しい経験をした古橋だが、なぜ森保監督はセルティックという名門で144試合出場77ゴールを記録する点取り屋を招集しないのだろうか。

「一昔前のサムライブルーであれば、ヨーロッパでこれだけの戦績を収めているFWを代表入りさせない手はなかったはずですが、現在の森保ジャパンでは、単にゴールを量産しているだけではなく、チームの戦術にどれだけマッチするかという基準を重視しています。古橋の在籍するセルティックは、他の代表選手に比べてやや特殊で、スコットランドにおける絶対的な王者として、名門レンジャーズと共に2強を張っているクラブです。したがって、国内リーグでは基本的に全試合が“格下”との対戦で、古橋に求められる役割も、ポゼッションサッカーからの裏抜けがメインとなるため、空中戦に強いポストプレーヤーを必要とする森保ジャパンとは戦術的な相違があります。一方で、古橋のチームメイトであるFW前田大然やMF旗手怜央は継続的に代表招集されているので、森保監督は各選手ごとにかなり細かく分析し、現在の代表チームとの適性値を吟味しているといえますね」(スポーツライター)

 前田や旗手は中盤での守備にも貢献度が高く、W杯では“格上”と対戦しなければならない森保ジャパンにとって必要な人材だと考えられている。特に強豪国への前線からのハイプレスで何度も日本代表を救ってきた前田は、森保監督にとっては“大のお気に入り”だ。

 また、現在の代表で9番を背負う上田綺世は強靭なポストプレーを得意とし、身長も182cmと、小柄な古橋(170cm)をフィジカル面で大きく上回る。

 以前の日本代表に比べ、ストライカーの競争が激化していることも、古橋の苦難の日々につながっていると言えるだろう。

(木村慎吾)

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