3、モラハラ夫と離婚する際の注意点
モラハラ夫と本気で関係を断ち切るには、離婚も1つの選択肢です。
しかし、モラハラ夫は離婚にすぐ合意しない可能性が高く、離婚協議でトラブルになってしまうケースも珍しくありません。モラハラ夫と離婚する際にはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。
また、離婚後もモラハラ夫は元妻に固執してくるケースも多いので、どのような点に注意すればいいのか離婚前に知っておきましょう。
(1)離婚条件は公正証書にする
離婚する際には慰謝料や養育費、財産分与などさまざまなことを話し合う必要があります。
モラハラ夫はこうした離婚条件をその場では合意しても、実際には支払わないケースも少なくありません。「離婚したのになぜ養育費を支払わなければないんだ」「離婚してダメージを受けたのはこっちだから慰謝料を支払って欲しいくらいだ」など見当違いの言い訳をして支払から逃れようとします。合意書などを作成しても約束を破る可能性があり、約束が破られれば合意書を証拠として提出して裁判で判決を待たなければなりません。
しかし、離婚条件を執行認諾文言付きの公正証書で作成していれば、約束が破られた場合には裁判手続きを取らずに強制執行をかけることができます。
(2)モラハラ夫が一人になった後の結末は想像に留めておく
離婚後に、モラハラ夫の寂しい末路を確認すべく「モラハラ夫が一人になった後の結末を知りたい」「寂しく過ごしているのか知りたい」など、知人を介して情報を得ようとする方もいるでしょう。
しかし、知人から元妻が自分の情報を得ようとしていたことがモラハラ夫に知られてしまえば、モラハラ夫の固執が再開してしまう恐れがあります。
モラハラ夫の「その後」を知りたいと思う気持ちは理解できますが、モラハラ夫との関係を断ち切るためにも、モラハラ夫の結末は想像に留めておき、完全に関係性を絶つことが大切です。
(3)元妻や子供に対してストーカー化する恐れがある
モラハラ夫が離婚に納得できていない場合、元妻や子供に対してストーカー化する恐れがあります。
はじめは些細や嫌がらせだったものがどんどんエスカレートしていき、家の前で待ち伏せするなどストーカー行為に発展するケースも実際に存在します。
相手がストーカー行為をすれば警察等にすぐ相談できるように、嫌がらせがはじまった時点から証拠を残しておくようにしましょう。
(4)身の危険がある場合はすぐに避難する
モラハラは精神的な暴力で、DVは身体的な暴力です。これまではモラハラだけを行っていた夫であったとしても、離婚を妻が考えていることをしれば激高して暴力を振るってくるケースもあるでしょう。
もし身の危険を感じた場合には、すぐに避難をするようにしましょう。
また、モラハラ夫はさまざまな暴言や態度でモラハラを行います。これまでモラハラに耐えてきたものの精神的に限界がきており、これ以上我慢をすればどうにかなってしまいそうだという場合にも、離婚手続きなどを進める前に先に避難するようにしましょう。
実家や友人の家に避難できないという場合には、行政の運営するシェルターなどを利用することができます。
4、モラハラ夫との離婚における完全な決別方法は弁護士に相談を
モラハラ夫と離婚して、完全に決別することは簡単ではありません。
離婚する方法は協議離婚や調停離婚、裁判離婚の3種類がありますが、モラハラ夫と当事者間で話し合って離婚することは難航することが予想されます。
そのため、モラハラ夫と離婚する場合には弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼をすれば、離婚協議を任せることもできるのでモラハラ夫と顔を合わせずに済みます。
モラハラ夫と完全に決別するためのサポートをしてもらいながら、自力で交渉するよりも有利な条件で離婚できることが期待できます。何よりも、精神的な負担を大幅に軽減することができ、離婚後の新しい生活の準備に専念できるはずです。
配信: LEGAL MALL