何このポーズ…!躍動感たっぷりの猫写真から目が離せない。飼い主さんに撮影裏話を聞いた

何このポーズ…!躍動感たっぷりの猫写真から目が離せない。飼い主さんに撮影裏話を聞いた

まるでバレリーナ!


小野:そして、ウミちゃんがバレリーナになっている写真。彼女は紐が大好きなので、頭上に紐を垂らしてあげました。それを掴もうと飛び上がっている瞬間です。つま先立ちの体勢になっているのか、いないのか。それがバレリーナに見えるか否かのポイントです。実際につま先立ちはしていませんよ。猫は絶対につま先立ちができません。ジャンプする瞬間を捉えているだけで、立ったわけじゃないです(笑)。

この写真を見た人からはよく「着地する瞬間ですか?」と聞かれるのですが、猫は後ろ足から着地することもほとんどないです。着地するときは、前足の肉球を床に向けて着地します。前傾姿勢か横の体勢になり、手のひらから着地する。バレリーナみたいに二足歩行で爪先からの着地は絶対にしません。

シャッターを切るタイミングがあとコンマ何秒ずれていたら、この足のラインにはならなかったでしょうね。足も接地していなかったはずです。奇跡に近い写真だと思います。

ほかにも躍動感たっぷりの写真がたくさん


小野:オリンピックっぽいジン君の写真も人気がありました。この作品を、僕は『ブレイキン』と呼んでいます。

これも、横からピュっとジャンプして着地した瞬間です。先ほども言ったように、やっぱり着地するときは絶対に手のひらからです。あと、『ロックスター』というタイトルをつけた写真もおもしろいですよ。


――おぉーっ、これはすごい!

小野:ジン君が歯磨き用のおもちゃを持っている写真です。噛むと歯垢が取れるロープのおもちゃで、彼はこれを振り回して遊ぶのが大得意。このおもちゃをぶん投げて遊んでいる瞬間ですね。

――顔もいい表情をしていますね。

小野:“猫界のフレディ・マーキュリー”と僕は呼んでいます。

――たしかに、フレディみたいに右腕を突き上げていますね(笑)。

本職は写真家ではなかった!


――ところで、小野さんはもともと写真がお好きだったのですか? それとも、猫を飼うようになってから写真活動を始めた?

小野:写真を見るのは好きでしたが、撮るようになったのは田代島に通い始めてからです。

――本職は写真家ではない?

小野:あ、全然違います(笑)。

――ただ、小野さんには「アドビ猫フォトコンテスト2021」最優秀賞や「Sony World Photography Awards 2023」Japan National Awardsなど多くの受賞歴があります。これらの賞はすべて、猫の写真で獲得したのでしょうか?

小野:基本的に国際フォトコンテストで入賞したのは、すべてうちの子たちを撮った写真です。あと、僕が撮った猫写真を使用した2025年カレンダーが今、100円ショップのキャンドゥさんで販売されています。

賞を取ることができたのも、こんな活動をさせてもらえるのも、すべては猫がきっかけですね。

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 小野さんと話していると、猫に対する愛情が十二分に伝わってきます。きっと、この気持ちこそ素晴らしい猫写真が撮れる一番の秘訣なのではないでしょうか?

 そんな気持ちを受け止め、被写体として十二分に期待に応え続ける2匹の猫ちゃんにも感謝。どうか、これからもフォトジェニックでいてください!


<取材・文/寺西ジャジューカ>

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