寸借詐欺に関するQ&A
Q1.寸借詐欺とは
寸借詐欺とは、返すつもりもないのに「ちょっとお金を貸して欲しい」と装い、お金を騙し取る詐欺のことです。被害金額は少額にとどまるケースが多いですが、数万円単位のお金を失うことも少なくありません。
Q2.寸借詐欺の刑罰
寸借詐欺は、れっきとした「詐欺罪」ですので、有罪となれば10年以下の懲役刑に処される可能性があります。
もっとも、被害金額が小さいケースが多いこともあり、初犯であれば不起訴となり、実際には刑罰が科せられないことも少なくありません。
しかし、常習犯が逮捕されたようなケースでは、起訴されて刑事裁判で懲役の実刑判決が言い渡されることもあります。
Q3.寸借詐欺の手口
寸借詐欺の手口は、返すつもりがないのに、返す意思と能力があるように装って嘘をつき、お金を騙し取るという点では、一般的な詐欺罪の事例と同じです。
しかし、以下の点は寸借詐欺に特有の手口といえます。
①人の善意に訴えかける
寸借詐欺の犯人は、人の善意に訴えかけてお金を出させようとします。
見知らぬ人に対して、いきなり「お金を恵んでほしい」と言ったところで、なかなか相手にされないことでしょう。
しかし、「財布を落とした」「お金を忘れた」「カードをなくした」などと言って困っているそぶりを見せられればどうでしょうか。普通の人なら「かわいそうだ」「自分にできることなら助けてあげたい」と思うはずです。
このように、人の善意を逆手にとってお金を出させる理由を設定するのが、寸借詐欺の手口の第一段階です。
②少しのお金を貸してほしいと頼む
寸借詐欺では、お金を貸してほしいといっても大金ではなく、少額を頼んでくるケースがほとんどです。
電車賃や飲食費などでは数百円~数千円程度、帰省費用などでも数万円程度といった金額を貸してほしいと言ってきます。
具体的な金額は事案によってまちまちですが、数十万円や数百万円といった大金を寸借詐欺で騙し取られることは考えがたいです。
数千円~数万円程度のお金なら、多くの人が持ち歩いていますし、「その程度なら貸してもいいか」と思える金額でしょう。
このように、大した頼みではないと思わせて実際にお金を出させるのが、寸借詐欺の手口の第二段階です。
③虚偽の連絡先を伝える
寸借詐欺は「お金を恵んでほしい」とは言わず、「必ず返すので今だけ貸してほしい」といいます。
見ず知らずの人に返済を約束するためには、連絡先を交換しなければなりません。
しかし、寸借詐欺の犯人はお金を返すつもりなどないのですから、虚偽の連絡先を伝えます。
大企業の肩書が記載された名刺を渡してくる詐欺犯もいますが、会社名から氏名、連絡先まで架空のものであることがほとんどです。
お金を貸した側は、後日、返してほしいと思って連絡をとろうとしてもつながらず、そのときにようやく詐欺の被害に遭ったことに気付きます。
このようにして、怪しまれることなくお金を持ち逃げすることにより、寸借詐欺の犯行が完成するのです。
まとめ
寸借詐欺に遭っても被害金額は小さいことが多く、お金を取り戻そうとすると費用倒れになってしまうという実情もあります。
そのため、今回は諦めて、二度と寸借詐欺に引っかからないように注意するという対処法も考えられます。
納得できない場合には、弁護士にご相談の上、最善の対処法を検討してみてはいかがでしょうか。
監修者:萩原 達也弁護士
ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。
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