骨粗しょう症の方こそ歯科診療を重視する理由

骨粗しょう症の方こそ歯科診療を重視する理由

骨粗しょう症とは骨密度が低下し、骨がもろくなる病気のことです。加齢や閉経後の女性に多く見られる骨粗しょう症ですが、歯科治療を受ける際には注意が必要です。

骨粗しょう症と歯周病

日々私たちの体は古い細胞を壊して新しい細胞を作りながら生きています。骨も同様です。ですが、エストロゲンの欠乏により骨粗しょう症を患うと新しい骨を作る働きが弱くなります。その結果、歯を支えている顎の骨が弱くなったり、歯ぐきなどの組織が炎症を起こし、歯周病になりやすいとされています。
重症化しないためには、正しいセルフケアと定期的な歯科検診が非常に大切です。

骨粗しょう症と顎骨壊死(がっこつえし)

顎骨壊死(がっこつえし)とは細菌感染により顎の骨が腐ってしまった状態のことです。この顎骨壊死は歯や顎の骨に痛みを感じたり、進行すると顎の骨が露出するなどの症状が見られます。

骨粗しょう症の方が服用するお薬の中でビスフォスフォネート製剤(BP製剤)や抗RANKLモノクローナル抗体(デノスマブ)等の一部では歯科治療の内容によっては制約が出る場合があります。

こういったお薬は骨からカルシウムが減っていくのを止める手助けをしてくれますが、同時に新しい骨や歯ぐきなどの組織の再生も抑制してしまいます。その結果、細菌感染を起こし治りが悪くなることで骨が腐るなどの副作用を起こす可能性があります。

注意が必要な処置は抜歯やインプラントなどの外科処置です。上記のお薬を服用中にこれらの処置を受けた際は、細菌感染により顎骨壊死を引き起こすケースが報告されています。

また、外科処置だけではなく、根の先の感染や重度の歯周病、合わない入れ歯を使用している場合、慢性的な感染ヶ所やその傷口から顎骨壊死を引き起こす場合がありますので、歯科医院で一度診てもらいましょう。

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