事実婚のメリットとは?
この記事では、
事実婚の本質や届出婚・同棲との違い
事実婚のメリットとデメリット
幸せな事実婚を築くための10のアドバイス
についてご紹介します。
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1、メリットだらけの事実婚?!その正体をおさらいしよう
「事実婚」という言葉を聞いて、「それって一般的な結婚とどう違うの?」と疑問に感じている方はきっと少なくないでしょう。
いわゆる普通の結婚も事実婚も、それによって結ばれる関係が「夫婦」であることに変わりはありません。
それでは両者の違いは一体どこにあるのか、事実婚と状況が似ている同棲についても、それぞれおさらいしていきましょう。
(1)届出婚(法律婚)
まず日本で法律上正式な夫婦となるためには、「婚姻届」を市町村役場に提出する必要があります。
これを届出婚(法律婚)と呼び、世間一般でいうところの最もスタンダードな結婚の形です。
(2)事実婚(内縁)
事実婚とは、簡単に言えば先ほどの婚姻届を役所に提出していない夫婦のことです。
婚姻届を出さないということは、イコール夫婦の新たな戸籍が作成されないということなので、夫婦はそれぞれ結婚前の姓を別々に名乗ることができます。同じ戸籍に入っていなくても、基本的には届出婚の夫婦と同じ次のような権利・義務が発生し、結婚式を挙げたり周りに夫・妻と紹介したりするところも届出婚と変わりません。
貞操義務(パートナー意外とは性的な関係を持たないこと)
特別な事情がない限りは同居すること
お互いに助け合って生活すること
婚姻費用(生活費や子どもの養育費)を分担すること など
また、こういった事実婚関係にあることを「内縁の夫・妻」と呼ぶこともあります。
(3)同棲カップルとの違い
「婚姻届を出さないなら、ただ一緒に住んでいる同棲カップルと同じってこと?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
その点は確かに、周りから見ているだけでは判断がつきにくいところでもありますが、
本人同士で夫婦としての認識があるか
周りが社会的に夫婦として扱っているか
が事実婚と同棲との分かれ目になり、本人たちがお互いに「自分たちはただの恋人ではなく夫婦だ」と感じ、周囲もそう思っている場合は、単なる同棲ではなく事実婚の状態にあると考えることができます。
さらに、「婚姻届は提出したくないけど、自治体からはきちんと家族として扱ってほしい」という場合、2人の住民票を同じにするという方法もあります。
一方を住民票の「世帯主」とし、もう一方の続柄を「妻(未届)」「夫(未届)」と記載している事実婚カップルは実際のところ多く、このようにしておけばただの同棲カップルとの違いも明確につけることができるでしょう。
2、事実婚の4つのメリット
それではここからは、気になる事実婚のメリットを詳しくチェックしていきましょう。
(1)どちらも実家の戸籍から外れなくてすむ
届出婚では、昔から「結婚=女性が相手の家に嫁ぐ」という考え方があり、実態としても女性側が実家の戸籍を外れるのが一般的です。
結婚とは本来であれば男女の関係が対等であるべきものですが、届出婚が現状は男性優位に働いていると言わざるを得ない面もあり、入籍を行わない=どちらも実家の戸籍から外れずに済む事実婚は、名実ともに男女平等を実現できる方法であると言うことができます。
お互いにひとりっ子で、どちらも親などからそれとなく家を継いでほしいと期待されているような状況の場合も、事実婚は解決策のひとつとなるでしょう。
(2)夫婦別姓でいられる
婚姻届を提出しない事実婚では、結婚しても夫婦別姓でい続けることができます。
これによって、次のようなストレスを避けることのできる点が大きなメリットです。
①届出婚では夫婦同姓を強いられる|精神的ストレスがある
先ほども少しお話しましたが、届出婚では入籍するにあたって夫婦でどちらの姓を名乗るか決める必要があり、現状は男性側の姓を選ぶのが一般的です。
この「女性が男性に合わせる」という形が世間のスタンダードとなってしまっていることに違和感を覚える女性も少なくはなく、男性が女性に合わせるにしても、届出婚にはやはりどちらかが姓を変更しなければならないという精神的なストレスがあります。
②届出婚では夫婦同姓を強いられる|物理的ストレスがある
姓を変更すると、それに伴って次のような事務的な手続きも大量にこなさなければなりません。
【氏名変更が必要なサービスの例】
銀行・証券会社などの金融機関
クレジットカード
パスポート
免許証
健康保険
年金
保険の契約者や受取人
携帯電話
保有資格
通販サイト など
これらの手続きはそれぞれに方法や受付時間が異なることもあり、事前に考えていた以上に大変!という感想を持つ人がほとんどです。
「日中は仕事で自由に動ける時間が少ない…」という場合、思うように手続きが進まないストレスも意外と大きな負担になるでしょう。
(3)義理の両親などと姻族関係にならない
届出婚では、入籍すると相手の両親や兄弟と法律上の姻族関係になりますが、事実婚ならこれを避けることができます。
「パートナー本人のことは大好きだけど、その家族とは一線を引いておきたい」「相手の家族と折り合いが悪く、できれば関りを持ちたくない」というケースでは、これもメリットのひとつでしょう。
(4)社会的に独身を貫く
職業上独身であることが求められる一方、実生活上愛する人ができた人の中には、二人(ないしは身近な関係者)の間で関係性を確認するために事実婚を選ぶ場合もあるでしょう。
年月が経て周囲に徐々に二人の関係を社会に浸透させていくことで、当事者が考えるデメリットを最小限に抑えることができるケースもあります。
配信: LEGAL MALL