だるさの原因は“むくみ”かも?
その原因となる塩分過多には野菜のカリウムで対抗!
体がむくんでいると、だるく感じます。とくに、足がむくむと立っているのもつらいほどの疲労を感じます。
むくんでいるとき、その原因について「水分を摂りすぎたんだ」と考える人が多くいます。そして、むくみが収まるまで水分を控えようとします。
しかし、それをやってはいけません。
私たちの体の60%は水分であり、その水分は細胞の中や外に存在して重要な役割を担っています。新鮮な水をたっぷり摂り、体内の水分をいつも新しいものに入れ替えていくことは、健康維持にとても大切です。水が余れば尿として体外に出るので、むくんでも水はしっかり摂りましょう。
それよりも、気にすべきは塩分です。実は、健常者のむくみの原因のほとんどは、塩分を摂りすぎたことにあります。
私たちの体に存在する血液と体液は、共に約0.9%の塩分濃度に保たれています。余った塩分は腎臓が濾過して尿に出しますが、摂りすぎれば腎臓の濾過キャパシティーを超えます。
すると、血液や体液の塩分濃度が上がりすぎないように、体は水を引き込みます。血液中に水が引き込まれることで、血液量が増え血圧が上がります。一方、細胞の内外にある体液中に水が引き込まれることで、むくみが生じるのです。
ですから、塩分過多でむくんでいるときは、血圧に悪影響が出ているだけでなく、腎臓もひどく疲れていると考えたほうがいいでしょう。
こうしたことからも、普段の食事の塩分摂取量に無関心ではいけません。
2020年に改訂された日本人の一日の塩分摂取量の目安は、成人男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満で、それまでよりも0.5グラムずつ減っています。しかし、それでもWHO(世界保健機関)の基準5.0グラム未満よりも随分多いのです。
しかも、この日本のユルい基準を、多くの人が超えており、一日10グラム以上の塩分を摂っている人がざらにいます。
塩分は、まず摂りすぎないようにすることが大事です。また、摂った塩分を排出することも重要です。
この排出を助けるのが、ほうれん草やにんじんなどの野菜に多く含まれる「カリウム」です。カリウムはナトリウム(塩分)と対になって働き、細胞の中と外で体液の浸透圧を維持し、血圧や体液濃度の調整を行っています。
このとき、カリウムを多く摂ることで、浸透圧の作用で細胞内のナトリウムを体外に排出できるのです。それによって、血圧は下がり、むくみも解消されます。
実は栄養価が大違い!
旬の食材を食べて効率的に栄養を摂取しよう
今は、たいていの食材が一年中、スーパーの店頭に並んでいます。しかし、かつては、いつでもあるのは肉類や大豆食品、練り物や缶詰などの加工食品くらいでした。
本来、食材には「旬」があり、とくに、野菜や果物などはそれが顕著です。たとえば、なすやトマトは夏、ほうれん草や小松菜は冬の野菜です。しかし、今はたいてい、どれもいつでも手に入ります。
ただ、実は野菜は、時期によって含まれる栄養価が変わります。
ほうれん草の場合、旬である冬と比較して、夏はビタミンCが約3分の1に、ベータカロテンはおよそ半分に減ってしまうとも言われます。
ポパイが好んで食べていたほうれん草が、健康維持や疲労回復に優れた食材だということは多くの人が知っているはずです。
しかし、夏のほうれん草では、冬ほどの効果は期待できないわけです。
ほかのどの野菜も、旬の時期が一番、栄養価が高くなります。それに、旬の食材は安く手に入ります。魚介類や果物も同様で、旬のものは美味しくて栄養価が高いのに、値段は安くなっています。
ですから、スーパーに行ったら、旬にこだわって買い物をするのが賢い方法です。食材に同じ3000円を使うにしても、なにも考えない人とは手にできる栄養価が違います。
それに、胃腸への負担も少なくなります。
たとえば、小鉢1杯のほうれん草のおひたしを食べるとき、夏でも冬でも胃腸は同じように働いてくれます。でも、そこから得られる栄養価が違うなら、旬の食材を食べたほうが効率的でしょう。
本文は『疲れない体をつくる 最高の食事術』(小学館)より一部抜粋・編集・追記しています。
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配信: クックパッドニュース