女性に比べると着用アイテム数が圧倒に少なく、スタイリングも限られる。それなのにおしゃれな男性って、よっぽどのテクニックをお持ちだと思うんです。そこでメンズのファッション関係者にスナップを敢行して、その秘密を探ってみることにしました。
第5回目のゲストにお迎えしたのは、ムロフィスの代表兼ディレクターの中室太輔さん。「ジャケット」をお題に、トラッドスタイルのくずし方や配色のこだわりなどを披露していただきました。女性も参考になることまちがいなしなので、マジで要チェックです!!
ブルー系で統一したVゾーンはメンズならでは。異なるトーンでメリハリをつけているのも見どころ
統一感ある配色なら
着くずしても上品さをキープ!
大のトラッド好きということもあり、この時期にぴったりなホップサック生地のブレザーをチョイスした中室さん。「王道トラッドだとコスプレっぽく見えてしまうので、今回は小物でカジュアルダウンさせました。足元はヒモ靴よりラフなローファーと白ソックス、さらにもう少し崩したかったのでベースボールキャップをプラスしています」
ボトムス選びや配色にもこだわりがあるそう。「ボトムスはグレーのスラックスやチノパンとも迷いましたが、全体を寒色でまとめたかったのでジーンズをセレクトしました。ブルー系と白の2色しか使っていないのがポイントで、じつは普段から、色は3色までと決めているんです。その理由は、自他ともに認めるうるさい顔だからというのもありますが(笑)、90年代のヒップホップの影響もあります」
「当時のミュージシャンの間で、スタイリングで使う色は3色までという暗黙のルールがあって、特に東海岸がその傾向だったんです。彼らからスニーカーの色をキャップなどの小物で拾うテクニックも学ぶなど、かなり影響を受けていますね。のちに働いたセレクトショップの上司がドレススタイルでもそれを実践していたので、私のなかではテイスト問わず色を拾うのがスタイリングの基本になっています。全体のバランスも取りやすくなるので、女性にもおすすめですよ! 」
カルティエの「サントス」にグレーのクロコストラップという、センスのよさが光る手元。ブレザーのゴールドボタンも絶妙なアクセントに
キャップはやや浅めにかぶってラフさを強調
ローファーもさりげなくネイビーをチョイス。ジーンズの丈感やソックスの見え具合も秀逸
テーラーケイドでオーダーしたブレザー、ラルフ ローレンのシャツ、インディビジュアライズドシャツのニットタイ、リーバイスのジーンズ、ニューエラのキャップ、カルティエの腕時計、キャプテンサンシャインのベルト、ユナイテッドアローズのソックス、ジェイエムウエストンのローファーは中室さんの私物
Profile
なかむろたいすけ/ムロフィス ディレクター
セレクトショップ【エディフィス】の販売員やプレスを経て2008年に独立し、PRオフィス「ムロフィス」を設立。【ザ・ノースフェイス】や【アイヴァン】をはじめとするさまざまなブランドのPRを担当しながら、バッグブランド【モノリス】やアイウェアブランド【アイヴォル】などのディレクションも手がけている。
text:KYOKO CHIKAMA
配信: オトナミューズウェブ
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