3、相続税の計算方法は?
生前贈与によってメリットを得るためには相続税より贈与税が安くなることが必要です。
そこで、以下では簡単に相続税の計算方法をご紹介します。
※相続税の計算方法について詳しく知りたい場合、相続税の仕組みを理解して金額を計算するための6つの重要な知識 の記事を参考にしてみて下さい。
相続税を計算するときには、まずは遺産の総額を把握します。
そこから債務や葬儀費用を引き、さらに相続税の基礎控除額を引きます。
その金額を各法定相続人の法定相続分に割り振り、以下の相続税の税率によって相続税額を計算します。
法定相続分に応じた金額
税率
控除額
1,000万円以下
10%
なし
3,000万円以下
15%
50万円
5,000万円以下
20%
200万円
1億円以下
30%
700万円
2億円以下
40%
1,700万円
3億円以下
45%
2,700万円
6億円以下
50%
4,200万円
6億円超
55%
7,200万円
そうして計算した税金を合計した金額が、そのケースでかかる相続税の金額です。
その金額を、それぞれの相続人が取得する具体的な相続分に従って配分します。
最後に、配偶者控除などの各種の控除制度を適用して、各自が支払う相続税額を確定します。
4、贈与税の計算方法は?
贈与税を計算するときには、まずは贈与対象の資産の評価額を調べます。
そして、その評価額から非課税額を差し引き(控除)ます(非課税制度については「5、贈与税の非課税制度は?」の項目をご参照下さい)。
例えば、評価額が300万円の場合、基礎控除110万円を差し引いた190万円に対して贈与税がかかります。
その金額に、以下の税率をかけ算することにより、贈与税額を計算することができます。
(1)親や祖父母から子どもや孫への贈与
課税価格
税率
控除額
200万円以下
10%
なし
400万円以下
15%
10万円
600万円以下
20%
30万円
1,000万円以下
30%
90万円
1,500万円以下
40%
190万円
3,000万円以下
45%
265万円
4,500万円以下
50%
415万円
4,500万円超
55%
640万円
(2)一般の贈与
課税価格
税率
控除額
200万円以下
10%
なし
300万円以下
15%
10万円
400万円以下
20%
25万円
600万円以下
30%
65万円
1,000万円以下
40%
125万円
1,500万円以下
45%
175万円
3,000万円以下
50%
250万円
3,000万円超
55%
400万円
贈与税の非課税制度を適用する場合には、それらの金額も控除した上で贈与税率をかけ算します。
たとえば、配偶者間で3,000万円の不動産を贈与するときには、贈与税の控除枠が、
2,000万円+110万円=2,110万円
となります。
そこで、贈与税の課税対象は、890万円です。
上記の贈与税の税率を見ると40%(控除額125万円)となりますので、贈与税の金額は、
890万円×40%-125万円=231万円
となります。
配信: LEGAL MALL