5、贈与税の非課税制度は?
生前贈与を賢く行うためには、贈与税の非課税制度を活用すべきです。
代表的な非課税制度として、以下のようなものがあります。
(1)相続時精算課税制度
相続時精算課税制度を利用すると、最大2,500万円までの贈与に対する贈与税が非課税になります。
ただし、非課税となった贈与分については、相続が起こったときに遺産に足されて、まとめて相続税が課税されます。
また、2,500万円を超える贈与分には、一律で20%の贈与税が課税されます。
(2)暦年贈与
暦年贈与とは、毎年110万円までの贈与に対する贈与税が非課税になる贈与税の基礎控除を利用した贈与です。
複数の人に110万円ずつ贈与する場合でも贈与税がかかりません。
そこで、子どもや孫など複数の相手に対し、それぞれ110万円ずつの贈与を毎年繰り返していけば、多額の贈与を無税で行うことも可能となります。
(3)教育資金の贈与
親や祖父母から子どもや孫へと教育資金を贈与するときには、最大1,500万円までの贈与分が非課税となります。
贈与は、信託銀行の口座を利用して行う必要があります。
2021年3月31日までの期限付き措置ですのでご注意ください。
(4)配偶者間の居住用不動産や資金の贈与
婚姻年数が20年以上の配偶者間で居住用不動産やその資金を贈与するときには、最大2,000万円までの贈与分が無税となります。
ただし、同じ配偶者間の場合には、1回しかこの制度の適用を受けることができません。
6、他にどのような費用がかかるか?
土地を生前贈与すると、贈与税以外にも発生するお金があります。
それは、登録免許税と不動産取得税です。
登録免許税とは、不動産の名義を変更するときに必要になる費用であり、土地の固定資産税評価額の2%となっています。
たとえば、3,000万円の土地を生前贈与すると、60万円の登録免許税が必要です。
不動産取得税は、土地の固定資産税評価額の1.5%です。
たとえば、3,000万円の土地を生前贈与すると、45万円の不動産取得税が発生します。
なお、不動産取得税が1.5%とされているのは、令和3年3月31日までであり(軽減税率)、本来の税率は土地、家屋(住宅)が3%、家屋(非住宅)が4%です。
さらに、不動産の名義変更の登記を司法書士に依頼すると、数万円の司法書士費用(事務所によって異なります)が発生します。
配信: LEGAL MALL