3、万引きによって成立する可能性のある犯罪とは
もしも子供が万引きしたら、どのような犯罪が成立する可能性があるのでしょうか?
以下でみてみましょう。
(1)窃盗罪
万引きは軽犯罪ではありません。
万引きは「窃盗罪」に該当します。
窃盗罪は、他人の財物を「窃取」することです。
窃取とは、他人の占有下にあるものを自分のものにすることです。
通常一般の万引きであればたいてい窃盗罪となります。
(2)事後強盗罪
万引きしたところを見つかり、店員に対して暴行脅迫を行って黙らせた場合には事後強盗罪が成立する可能性があります。
4、逮捕されたらどうなるの?
もしも子供が万引きして警察に逮捕されたら、どのような処分を受けることになるのでしょうか?
(1)子供の年齢が14歳未満の場合
子供の年齢が14歳未満の場合には、刑事責任能力がありません。
そこで、そもそも逮捕されることもありません。
14際未満の子供が犯罪に該当する行為をしたときには、児童相談所へと送致されます。
その場合、子供や保護者に対する注意が行われて、誓約書を書かされたり、福祉司などに指導を委託されたりする可能性があります。
子供の環境によっては里親などに預けられたり養護施設に入れられたりすることもあります。
(2)子供の年齢が14歳以上20歳未満の場合
これに対し、子供が14歳以上の場合には、少年法に基づいた処分が下されます。
具体的には、家庭裁判所に送られて「少年審判」が行われ、審判官(裁判官)によって子供の処遇が決定されます。
少年審判による決定は、子供に罰を与えるためのものではなく、少年が更生するための方策です。
審判内容には以下のようなものがあります。
① 不処分
不処分は、子供に対して何の処分も行わないことです。
たとえば子供が実際には万引きしていなかったケースや、子供が十分反省していて犯罪が軽微な場合などで特に処分の必要がないと判断されるケースなどで不処分になります。
② 保護観察処分
保護観察は、子どもに保護司を付けて生活状況を観察させることにより、様子を見ようという決定です。
この場合、子供は普通に社会内での生活を継続することができます。
③ 少年院送致
少年院送致は、社会内での自力更生が難しいと判断されるケースにおいて、少年院に身柄を送られることです。 少年院に送られる期間はケースにもよりますが、半年~2年程度になることが多いです。
④ 検察官送致
子供が犯罪を犯したケースでも、犯罪内容が重大なケースでは検察官に送致されることがあります。
この場合には、大人と同様の刑事裁判になり、懲役刑などの刑罰を科される可能性もでてきます。
万引きの場合、窃盗罪では検察官送致になりませんが、強盗致死傷罪などが成立すると、検察官送致される可能性が出てきます。
なお、逮捕から少年審判開始までには、
警察から検察への送致(逮捕から48時間以内)
検察による勾留判断(送致から24時間以内)
の段階があり、初犯、金額が低い、保護者がきちんと存在するなどの場合ではこの段階での釈放もあり得ます。
この段階での釈放を目指すには、早期段階での弁護士への依頼が不可欠です。
配信: LEGAL MALL