2種類の口腔ケア
器質的口腔ケア
口腔ケアには、「器質的口腔ケア」と「機能的口腔ケア」の2種類があり、それぞれの違いと、具体的なやり方についてご紹介します。まずは、器質的口腔ケアについてです。これはお口のなかを清潔に保つことを目的として行います。うがいや歯みがきなどで、歯垢や食べかすを取り除き、細菌の繁殖をおさえます。
機能的口腔ケア
一方、機能的口腔ケアは、口腔機能の維持・回復を目的として行うものです。口腔機能とは、「噛む」「飲み込む」だけでなく、「話す」「笑う」などのお口の働き全般を指します。ごはんを美味しく食べたり、家族や友人との会話を楽しんだりするためには、口腔機能の維持が必須です。
ケアのやり方としては、お口の中や周りのマッサージ、嚥下機能(飲み込む力)を鍛えるトレーニングやリハビリなどがあります。口腔内の健康を維持するためには、器質的口腔ケアと機能的口腔ケア、両者を並行しながら継続的に実施することが重要です。
口腔ケアで期待できる効果
口腔ケアによって期待できる効果としては、口腔内細菌の減少、虫歯・歯周病の予防、唾液分泌の促進、口腔機能の維持・改善、QOLの向上などがあげられます。特に高齢者の口腔ケアは、健康寿命を延ばすうえでも重要です。口腔内を清潔に保ち口腔トラブルを防ぐことは、誤嚥性肺炎など高齢者がかかりやすい病気の予防にもつながります。
配信: 医科歯科健診コラム