警察からの呼び出し期間と逮捕のリスクについて

警察からの呼び出し期間と逮捕のリスクについて

警察からの呼び出しはいつ来るのかその期間について疑問に思う方も多いでしょう。

今回は、

犯罪行為後、警察からの呼び出しは通常どれくらいの期間で来るのか
突然逮捕されるケースとは
警察からの呼び出しに応じて逮捕された場合、どのように対処すれば良いのか

について解説します。

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1、警察に呼び出されるまでの期間はさまざま

犯罪事件が発生すると、警察は被疑者を取り調べるために呼び出すか逮捕するのが通常です。

ただ、事件を起こしてから警察に呼び出されるまでの期間はケースバイケースであり、一概にいうことはできません。事件後すぐに呼び出されることもあれば、1か月後や半年後、あるいは1年以上経ってから呼び出されることもあります。

警察がまず被疑者から話を聴きたいと考えた場合はそこからすぐに呼び出されますが、事案によっては内偵捜査を進めて証拠を固めた後で被疑者を呼び出すこともあるのです。

警察に呼び出されるまでの期間を左右する事情として、ほかに以下のようなものがあります。

(1)警察による事件の把握

当然ですが、事件が警察に発覚するまでは呼び出しが来ることはありません。

警察が事件の発生を知るきっかけには様々なものがありますが、被害届の提出や告訴・告発、目撃者からの通報などは比較的早い段階で行われる傾向にあります。ただし、これらが事件の発生から半年や1年以上経って行われることもあります。

被害届の提出や通報などがなかったとしても、たまたま職務質問を受けて事件が発覚することもあります。

また、事件の関係者に対する捜査により、自身の事件への関与が発覚することもあります。

たとえば、薬物犯罪で売人が逮捕され、その捜査の結果購入者も判明することがありますし、買春などでも誰かが逮捕や補導をされて関係者が芋づる式に判明することはよくあります。

このようなきっかけで事件の発生や事件への関与が警察に発覚することもあるので、いつ呼び出しが来るのかは予測できないのが現実です。

(2)警察の事件処理状況

被害者から被害届が出ても、すぐに警察が本格的な捜査を始めるとは限りません。警察が他の重大事件の捜査に追われているような場合は後回しになり、呼び出しまでの期間が長くなることもあります。

たとえば、軽微な事件で被疑者が自首している、あるいは身元がしっかりしているなどの事情から、逃亡や証拠隠滅のおそれがなく、逮捕する必要がないと判断された事件は、被疑者を逮捕せずに、在宅事件として捜査が進められていくことになります。

被疑者を逮捕してその身柄を拘束した場合、法律上身柄を拘束できる時間に制限があり、その制限時間内に事件を処理していく必要があるため、警察は身柄事件の捜査を急ぎます。身柄事件の捜査が立て込んだりしていると、在宅事件の捜査が後回しになり、被疑者が警察に呼び出されるまで少し期間が空くということがあります。

(3)事件の重大性

同じ在宅事件であっても、その事件の具体的な事情によって、捜査の優先度は変わってきます。被害が甚大な事件や、社会的な関心を集めている問題に関する事件など、重大な事件であると考えられるものが優先的に捜査されることになっていきます。

そうすると、ごく軽微な事件であると判断された事件の捜査は後に回されるということになります。

とはいえ、いつまでも放置されるわけではなく、数ヶ月以内には呼び出しが来ることが多いです。

2、警察からの呼び出しがないまま捜査が終了するケースとは

実は、警察が事件を知っても被疑者を呼び出さないまま捜査を終了するケースはたくさんあります。

捜査が終了しても、警察が特にそのことを被疑者に知らせることはありませんので、罪を犯したという心当たりのある人は、いつまでも不安な状態が続くことになってしまいます。

警察からの呼び出しがないまま捜査が終了するケースとしては、以下のような場合があります。

(1)その時点で事件化の必要性がないと判断された場合

被害がごく軽微、あるいは被害があったという確証が持てないなど、その時点で事件化する必要性がないと警察が判断した場合は、捜査がそのまま終了するか、そもそも本格的な捜査が行われないことがあります。

ただし、警察が「今回は様子を見るけれど、次に何かあったら事件化して捜査を進め、必要があれば逮捕しよう」と考えて警戒態勢をとるケースもあります。警察からの呼び出しがないからといって、次に同じことしても逮捕されないというわけではありません。

(2)被害届や告訴が出されない場合

被害者等から被害届の提出や告訴がない場合も、刑事裁判にかけることが難しいため捜査が終了することがあります。

器物損壊罪や名誉毀損罪など、「親告罪」といって、被害者等の告訴がなければ刑事裁判にかけることができない犯罪があります。

警察が被害者等に説明をしても告訴が出されない場合は、捜査を終了することになります。

親告罪でない犯罪でも、被害届の提出があって初めて本格的な捜査が進められるということも多いです。

ただし、重大犯罪の場合や、薬物犯罪などそもそも被害者のいない犯罪では、被害届が出されなくても捜査が進められます。

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