「サウナに行かない生活はもう考えられない」大人気俳優・磯村勇斗のバランスの整え方とは?

「サウナに行かない生活はもう考えられない」大人気俳優・磯村勇斗のバランスの整え方とは?

10月11日に公開された映画『若き見知らぬ者たち』。磯村勇斗さんが演じる主人公の彩人(あやと)は、昼は工事現場、夜はカラオケバーで働きながら亡き父の借金と難病を患う母の介護に追われるヤングケアラー。内山拓也監督(「佐々木、イン、マイマイン」2020年)が日本、フランス、韓国、香港合作で手がけた商業長編デビュー作だけあって、なかなかにハードな役どころです。


 


これほどの作品の撮影をどういう気持ちで乗り越えたのか。救いはあったのか? 磯村さんと以前から取材を通じて親交のある映画ライターのよしひろまさみちさんに、ぶっちゃけたところを質問してもらいました。一部プライバシー保護のため伏せ字がありますが、どうぞ想像してお楽しみください。

サウナに行かない生活はもう考えられない

――ところで話変わりますけど、サウナ通いは続いてます?


磯村 もちろん! 内山監督もサウナーなので、サウナー仲間です(笑)。最近も●●●の▲▲にわざわざ行ってきまして。


――え、なかなかのわざわざ感。


磯村 そこにいいサウナがあるって紹介したら、内山監督も「じゃあ行こう!」ということになりました。


――以前あたしが紹介した■■■の某所はまだですよね?


磯村 まだなんですよー! 写真は拝見して、めちゃくちゃ興味津々なんですけど。あそこ、水が地下水なんですよね?


――そうそう。透明度すごくて、奥まで見えるところがあるんですが、そこで潜ると戻ってこられないという恐怖。


磯村 え、めちゃ怖いじゃないですか(笑)。


――そうなの。よかったですよね、サウナっていう趣味があって。息を抜く場所があるってことでしょ?


磯村 絶対それはありますね。サウナに行かない生活はもう考えられないかな。20代のころ、仕事で根を詰めすぎて、自分を追い詰めてしまったことがあるんですよ。それではけ口が全くなくて苦しかったんですが、今はサウナで一息つくことでコントロールできる。自分のペースを整えることができるから、しっかりと作品ひとつひとつに向き合えるんですよね。


――サウナは磯村さんのバランサー! まさに整う!


磯村 そうそう(笑)。

――俳優としてのキャリアの挑戦はもちろん続けるとして、クリエイターとしてやっていく、みたいなことを考えることはありますか?


磯村 クリエイティブのチームの一員としてものづくりをする、ということはやりたいですね。それは俳優でもそうなんですが、俳優以外のことでも。でも、優秀な監督さんや脚本家さんと一緒にお仕事していると、自分にはそこまではできない! って思っちゃうんですよね。それで二の足をふんで、自分には結局芝居しかない、って、考えを畳んじゃう。


――確かに、役者の片手間ではできないことですものね……。


磯村 そうなんですよ。だから、もし他の職種でクリエイティブチームの一員に挑戦するならば、役者業をちょっとお休みして、切り替えてやってみたいですね。

衣装は全てスタイリスト私物

『若き見知らぬ者たち』は日本・フランス・韓国・香港合作なんです

――おおお! 先の作品決まってるから、まだまだ将来の話になりそうだけど、いいですね。


磯村 興味はすごくあるんですよ。自分にしか生み出せないもの、というのが役者としてもあるし、他にもあるんじゃないか、って思っているので。その方向性が見つかったときは、自分の作品として一つでいいから残したい、って思っています。


――じつは最近、磯村さんが『きのう、何食べた?』で共演された西島秀俊さんに取材をしたんですけど、そのときに似たようなことおっしゃってましたよ。


磯村 え、どんなことですか?


――西島さんは海外製作のドラマに出演されてるんですが、ゆくゆくは渡辺謙さんや真田広之さんのようにプロデューサーも兼務して、自分の作品を作ったり、若い日本の役者をバックアップしたいって。


磯村 わかりますよ、それ。『〜何食べ〜』のときも西島さんとそういうお話したことあるんです。環境づくりとか、そこに役者はどう関わっていくべきか、ということを深く考えていらっしゃった。先を見据えて開拓しようとしている先輩がいる、と憧れると同時に、すごく尊敬する人でもあります。


――こうも言ってましたよ。「日本の若い役者がガンガン海外に出てほしい」って。実際、日本単体ではなく海外の協業作品も増えていますから、ますます増えるとは思うんですが。


磯村 それもすごくわかりますね。『若き見知らぬ者たち』は日本・フランス・韓国・香港合作なんですが、国際的な合作ということも、じつはすごく楽しみにしてたことだったんです。日本映画がダメだ、というわけでは全くないんですが、どうしても内向きになりがちなのは否めません。でも、海外のチームや役者さんと一緒に組むことによって生まれること、または相互に取り込みあえる要素は絶対にあるし、いいシナジー効果が生まれると思っています。逆にネガティブなことを見つめ直すきっかけにもなるでしょうしね。だから、どんどんと外との交流は増やして、作品づくりになにかしらで関わっていきたい。それによって、アプローチの仕方の違う海外の役者さんの芝居に、間近で接することができますし。


――昔から持っている未来予想図みたいなものってあったりします?


磯村 ロールモデルはいないんですけど、確実に国や言語は関係なく外との関係を大事にする映画人、というのがイメージとしてありました。そのためにはもっと認知してもらうために、いい作品と出会って、たくさん仕事しなきゃですね!


映画『若き見知らぬ者たち』

磯村勇斗 岸井ゆきの 福山翔大 染谷将太

伊島空 長井短 東龍之介 松田航輝 尾上寛之 カトウシンスケ ファビオ・ハラダ 大鷹明良

滝藤賢一 / 豊原功補 霧島れいか

原案・脚本・監督:内山拓也

©2024 The Young Strangers Film Partners

10月11日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開

©2024 The Young Strangers Film Partners

Photograph:KAORI IMAKIIRE

Interview & text:MASAMICHI YOSHIHIRO

styling: TOM KASAI

hair & make-up: TOMOKATSU SATO

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