「地獄へ落とされたようだった」妊娠5カ月目で迫られた命の選択。これまでの10年間を振り返り、いま思うこと【ゴールデンハー症候群・体験談】

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子育てのモットーは「自分でできることは自分で」

Mくん含め3人のお子さんを育てる高橋さんに、子育てで大切にしていることを聞くと「自分でできることは自分でやろうと、子どもたちとはよく話しています」とのこと。とくにMくんについては医療的ケアが必要なため手伝おうとしてくれる方は多いものの、できることは自分でやり、できないことは自分から助けを求められるようになってほしいからだそうです。

「ふだんのコミュニケーションも、Mは自分なりに工夫しながら伝えようと頑張っています。今は支援級に通っているんですが、まわりのクラスメイトはふつうにしゃべれる子たちばかりなので、同じようにしゃべろうとしてもうまく発声できない。私や夫、きょうだいたちは何となく会話で伝わることも多いんですが、お友だちとはそうはいかないことも多々あります。

まだ文字を読んだり書いたりできなかった幼いころは、絵が描いてあるカードを持たせたり、“マカトン法”という手話のようなサインやシンボルを組み合わせて伝えるコミュニケーション法を学んだりもしましたが、最近は手術をして少し発声がしやすくなったこともあり、自分でボードに書いた文字を見せながら読み上げることが多いです。パソコンでも打ち込みができるようになったので、より対話しやすくなってきているなと感じます。

コミュニケーションについてはこれまでいろんな方法を試行錯誤してきましたが、今は音声読み上げアプリとかいろんなものがあるので、将来的にはそういった便利なツールやアプリを使いながら、本人がストレスを感じることなくコミュニケーションできるようになったらいいなと思います」(高橋さん)

お話・写真提供/高橋由紀さん 取材・文/仲島ちひろ、たまひよONLINE編集部

好きなことがどんどん増え、毎日楽しそうに小学校へ通っているというMくん。高橋さんはそんなMくんやきょうだいたちを日々温かく見守りながら、自身の経験を活かして医療的ケア児とその家族のためのサークル「医療ケア親子サークルほぷふる」の代表も勤めています。2本目のインタビューでは、サークルを立ち上げた経緯や活動への思い、Mくんが小学校入学に至るまでのお話を聞きました。

「 #たまひよ家族を考える 」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してこれからもさまざまな課題を取材し、発信していきます。

高橋由紀さん

PROFILE
2019年に医療的ケア児とその家族のサークル「医療ケア親子サークルほぷふる」を立ち上げ、代表を務める。情報交換や相談できる場としてネットワークづくりや定期的な交流会を開催、各自治体への意見や要望の提出など、医療的ケア児と家族が住みやすい環境づくりを目指して活動中。

■Instagram:医療ケア親子サークルほぷふる
@hopeful201905

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●掲載している情報は2024年9月現在のものです。

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