「靴下の跡がくっきり残っている」「足首がなくなっている(ように見える)」といった経験がある人は少なくないのではないでしょうか? 同じ姿勢での長時間仕事や食事習慣などによって起こるのが「浮腫み(むくみ)」です。放置していても改善はされず、むくみ増える一方という悪循環に陥りかねません。むくみの緩和や軽減を測れる生活習慣について、看護師資格を持つ筆者が紹介します。
むくみの原因や症状とは
まず、人の体の中はその約60%を水分が占めています。その割合は、血管内が約5%、各臓器内が約40%、残りの15%が間質液です。こうした体内での水分バランスが乱れ、間質液内の水分が増加することで起こるのがむくみです。
むくみが原因とされる症状には、足のしびれや体のだるさ、体重の上昇などさまざまなものが挙げられます。またむくんだ手足は、傷になりやすく痒(かゆ)みを伴います。
むくみの原因としては、主に筋肉量が少ない、食生活の偏りやアルコールの過剰摂取、同じ姿勢での長時間作業(立ち仕事や座り仕事など)、冷え性などが挙げられます。
筋肉量が少ないと、足側から血を送り返す力が弱く心臓まで血が上ってこないため、血流が足に滞ってむくみが生じやすくなります。長時間立ち仕事や座り仕事の人も同様に、足を動かす機会が少ないため足先からの血の流れが悪くなり、滞りやすくなります。
冷え性の人は、基礎代謝も低下しており循環が悪く、水分が溜まりやすい状態です。むくみが生じると溜まった水分が血管を圧迫し、さらに循環が悪くなるため悪循環となり、むくみがなかなか改善しないという状況が生じます。
食生活では、塩分の過剰摂取や糖分の多い食事、アルコール摂取などがむくみの原因です。塩分を過剰に摂取してしまうと、体の中で塩分濃度を薄めようと血管などから多くの水分が集まるためむくみが生じてしまいます。また糖分やアルコールも塩分同様に、濃度を薄めようとして水分が集まるためにむくみの原因となっています。
ストレッチをしたり、保湿したりを忘れずに
むくんだときの対処法は
むくんだ手足は皮膚が伸びきっているため、バリア機能が薄くちょっとぶつけるなどしただけで傷付きやすくなります。さらに痒みを伴うため、保湿ケアが重要です。
同一姿勢での仕事の人は、仕事の合間にストレッチをしたり、ふくらはぎを動かして筋肉を使ったりすることで心臓まで血流を返す手助けとなり、循環を良くすることにつながります。
白湯(さゆ)などの温かい飲み物を摂取したり靴下を履いたりして冷え性の改善を試み、着圧ソックスを使用したり足を高くして寝たりすることで血の巡りを改善します。
また、塩分やアルコール摂取を控え、バランスの良い食事を心掛けましょう。むくみのあるときには、おしっこを促す利尿作用のあるスイカやキュウリなどがおすすめです。
生活習慣の中で、ちょっとした工夫を取り入れることでむくみの改善や軽減につながるため、意識して取り入れてみてください。
(じゅんな)
配信: LASISA
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