「首絞められセクハラ後に退職勧奨された」VC大手・ジャフコ元契約社員が訴え

「首絞められセクハラ後に退職勧奨された」VC大手・ジャフコ元契約社員が訴え

ベンチャーキャピタル大手のジャフコグループ(本社・東京都港区/三好啓介・取締役社長)で、セクハラを受けたうえに不当な雇い止めをされたなどとして、当時契約社員だった女性(40代)の代理人が10月11日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで会見を開いた。

代理人によると、女性は2019年12月、忘年会から帰宅しようとしたところ、同社幹部と社員の男性2人に引き止められたあと、首を絞められ、無理やり胸を触られた。女性は会社側に被害を告発し、男性2人は謝罪して懲戒処分を受けた。

しかし、その後、女性は同社から不当な退職勧奨を受けたうえに、再契約にともなって賃金も半減され、体調を崩して雇い止めされたと訴えている。女性は現在、雇い止めは不当であるとして、女性の地位確認や安全配慮義務違反による損害賠償などを求めている。同社は「契約雇用の終了は適正だった」としており、双方の主張は対立している。

(編集部注:記事中にはセクハラや暴力の描写があります。十分ご注意の上、お読みください)

●夜中に呼び出し「来なければ仕事に協力しない」

女性は2018年11月、同社に入社した。

女性の代理人である指宿昭一弁護士と髙橋済弁護士によると、以下のような出来事があったという。

女性は入社直後から、同じチームだった男性社員A氏に「一対一で飲みに行こう」と誘われたり、午前3時に何度も電話で呼び出されたりするなどのセクハラを受けるようになった。

A氏は女性に対して「俺はやめさせられないから大丈夫」などと言って性的行為を迫ったり、女性のほほにキスしたりするなどつきまといを繰り返していた。

また、同社の幹部だったB氏もA氏と一緒になり、午前0時に女性に電話して酒席に呼び出し「来なければ仕事に協力しない」などと言った。

そして、2019年12月にオフィス内で開かれた忘年会に出席した女性が帰宅しようとしたところ、エレベーターホールでA氏とB氏が女性を呼び止めた。

B氏は「もう帰るのかよ」と声をかけ、女性のマフラーで首を絞め、A氏に対して「お前もそっちを持て」などと言った。A氏は「俺はこっちのほうがいい」などと言って女性の胸を無理やり触った。

女性はセクハラ被害を会社に告発し、同社は2020年1月に男性2人に対し懲戒処分をおこなった。

●セクハラ事件後、「社内の人たちの対応変わった」

しかし、女性がセクハラを告発したあと、女性が望んでいないにもかかわらず、三好社長の指示により、社員集会でA氏が謝罪させられた。指宿弁護士によると、これをきっかけに女性がセクハラ被害者であることが多くの社員に知られてしまったという。

指宿弁護士らが公開した女性のメモには、当時の様子がこう書かれている。

「セクハラの件が知れ渡って話題になった後、社内の人たちの対応が変わった」

「ランチに行くなど仲良くしていた同僚(女性)に距離を取られるようになった」

「仕事の相談をよくしていた同僚(男性)に『関わりたくない』と言われた」

女性は専門性の高い要職にあったが、2年ごとに契約更新される契約社員だった。セクハラ事件後には、1カ月の残業時間が76時間〜84時間という過重労働が続き、次の契約更新時期となる2020年10月、執行役員から「退職勧奨された」という。

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