●公訴時効の撤廃と捜査機関への信頼は表裏一体
結局、公訴時効を撤廃するには、それだけ捜査機関に強い権限を与えることになりますから、被告人の防御権が十分に確保されることを前提に、捜査機関への信頼なくしては成り立たないと思います。
袴田さんの事件では捜査機関による「3つの捏造」が認定されました。
捜査機関への信頼が揺らいでいる以上、公訴時効の撤廃を拡大していくには、信用性の制度的担保が必要不可欠ではないかと考えます。
【取材協力弁護士】
神尾 尊礼(かみお・たかひろ)弁護士
東京大学法学部・法科大学院卒。2007年弁護士登録。埼玉弁護士会。一般民事事件、刑事事件から家事事件、企業法務まで幅広く担当。企業法務は特に医療分野と教育分野に力を入れている。
事務所名:東京スタートアップ法律事務所
事務所URL:https://tokyo-startup-law.or.jp/
配信: 弁護士ドットコム