いい包丁を使うと料理は上手くなるの?
筆者は料理は好きですが、上手とはいえないレベル。 当然、毎日の調理の際に包丁は使うのですが、なんとなく購入した数千円程度のものを使っています。 しかし実際のところ、 お店や料理本などで見るような美しいレベルで食材を切ることはできません。そこで沸き上がったのが、包丁を変えれば食材を上手に切ることができるようになり、料理が上手くなったように感じるのだろうかという疑問。
これを検証するため、100円ショップのダイソーで税込み110円で購入したプチプラ三徳包丁と、燕三条の伝統と刀の遺伝子を受け継ぐ本格包丁を比較しようと考えました。
これが今回の使用アイテム。1本税込み3万2100円の「剣謙心 DP霞流鋼割込口金付三徳包丁170mm」です。刀身に入った模様、全体のシルエットの美しさとさすが高級包丁といった風情です。
1本税込み3万2100円の「剣謙心 DP霞流鋼割込口金付三徳包丁170mm」。
お次に、100円ショップの包丁です。切り出した鉄板に刃を付けました的な立体感のない刀身。コストをギリギリまで削ったようなプラスチック製の柄。しかし税込110円で包丁が提供できることがすごい。
ダイソーの三徳包丁
税込価格差291倍、 ざっくり約300倍の価格差のある2本の包丁を比べれば、さすがに鈍感な筆者でもその切れ味の違いが実感できると考えたのです。
2本の包丁を並べてみたところ。上がダイソーの三徳包丁。下が税込3万円オーバーの「高級三徳包丁」。同じ道具で価格差が約300倍ってやはりすごい。
手に取ってみるまでもなく、道具としての気合いが違う
剣謙信の「剣謙心 DP霞流鋼割込口金付三徳包丁170mm」(以下「高級三徳包丁」)が到着したので、筆者は比較用のプチプラ三徳包丁を近所のダイソーで買ってきました。当たり前ですが税込み110円です。100円ショップで包丁が売っていること自体もすごいのですが、過去にも使ったことがあるのですが、それなりに切れるのがもっと恐ろしいのです。
しかし、同じ包丁ですが、素人目にもわかるくらいダイソーの100円プチプラ包丁「Galaxy 万能包丁」(以下「100円万能包丁」)が安っぽい。ペラッとした包丁の刃、見るからに安価なプラスチック製の柄と、さすが100円といった印象です。
これに対して高級三徳包丁はその名の霞流鋼(霞流し鋼=ダマスカス鋼)のとおり、ローカーボンステンレスとハイカーボンステンレスを交互に折り重ねた美しい模様が現れた刀身、芯材にはV金10号という現在最高峰のステンレス刃物鋼が使用され、金属製の口金が装備され、さらに金属の中子が柄の部分までしっかりと通った本通し仕上げと、こちらも素人目にも高そうとわかる仕様になっています。
実際に手にとってみると、「100円万能包丁」は実測85gと非常に軽いのですが、プラスチック製の柄は細く安定感に欠け、強い力を掛けたり、細かな作業をしたりするのにやや不安です。また、プラスチック素材が安っぽく滑りやすいのも不安感を増長させます。一方「高級三徳包丁」は実測で178g、倍以上重いのですが刀身と柄の間に配置された金属製の口金の重さなどで持ったときのバランスがよく、積層強化材の柄はぴったりと手になじみ、持ちやすく安心感があります。
パッケージングについては「100円万能包丁」のほうが近代的な印象。「高級三徳包丁」はある意味伝統的な紙箱仕様です。
価格差約300倍なので、当たり前といえば、当たり前ですが3万円オーバーの「高級三徳包丁」のほうが実際に食材を切ってみる前から圧倒的に切れそうな印象なのです。
まずは比較的切りやすいと思われる「ビンチョウマグロ」のサクを切ってみました。スジも少なく、価格も安いので多少の失敗は許せるイメージです。
配信: LASISA