まずはビンチョウマグロのサクを刺身にしてみた
切っても差が出づらい食材を切っても仕方ないので、比較的切りにくい刺身で比較を行ってみました。それでもスジなどが少なく切りやすい「ビンチョウマグロ」での比較です。
「高級三徳包丁」で切った「ビンチョウマグロ」。刺身の角が潰れることもなく、断面も非常にフラットで美しいのがわかるでしょう。
まずは「高級三徳包丁」で切ってみました。筆者は自宅の三徳包丁で刺身のサクを切ると刺身がボロボロになるのがイヤでサクは買わずにパックの盛り合わせを買う派ですが、「剣謙信三徳包丁」はびっくりするくらい滑らかに「ビンチョウマグロ」のサクの中に包丁の刃が入っていき、刺身の角も潰れることなく、気持ちよく切れました。
もっと差が出るかと思ったのですが「ビンチョウマグロ」について、包丁の違いでびっくりするほどの差は出ませんでした。
これに対して「100円万能包丁」は、滑らかに刃が入らず、刺身の角は潰れ、刺身をボロボロにしてしまうのでは? と思ったのですが、結果はかなり上々。「高級三徳包丁」に比べると、刺身のサクに対する刃の入り方も滑らかではないですし、切るときに力が入っているのも事実ですが、刺身の角が潰れるほどではなく、切断面もさほど荒れることなく「ビンチョウマグロ」を刺身にすることができました。
「ビンチョウマグロ」については、どちらの包丁を使っても、自宅でサクから刺身にしてもいいかと思えるレベルの結果といえます。
「100円万能包丁」で「本マグロ中トロ」のサクを切ろうとすること自体が食材に対する冒涜なのでは? とすら思いましたが、実際に切ってみました。
スジの多い「本マグロ中トロ」のサクを切り比べてみた
「ビンチョウマグロ」は刺身のサクのなかでも比較的切りやすいといえるでしょう。これに対してスジの多い「本マグロ中トロ」はかなり切りにくい刺身です。脂がのって柔らかな身が固いスジの間に挟まっているので、切れ味の悪い包丁では刺身がズタボロになってしまいます。
筆者は「本マグロ中トロ」なんてものは、お寿司屋さんの刺身用包丁でしかきれいに切れないと思っていたので「高級三徳包丁」の切れ味に驚きました。
「高級三徳包丁」で切ってみたところ、余計な力が入らないので、刺身の角が潰れることもなく、包丁自体の切れ味がよいのでスジが引っかかって伸びてしまうこともありません。「本マグロ中トロ」を切るなら専用の刺身包丁が必要かと思ったのですが、「高級三徳包丁」なら、筆者は自宅では絶対に切りたくないと思っていた「本マグロ中トロ」も十分の以上のレベルで刺身に切り分けることができました。
一方「100円万能包丁」で「本マグロ中トロ」を切った結果はズタボロとはならなかったものの、お高い「本マグロ中トロ」を切るなら、それなりの包丁を用意したいと思うには十分なものでした。脂で滑りやすく柔らかい身と硬く切りづらいスジを同時に切断するので、包丁の切れ味に対する要求レベルはかなり高いと思われます。そのため「100円万能包丁」では刺身のサクに滑らかに刃先が入っていかないため刺身の角がやや潰れ、さらにスジをうまく切断することできず、引っ張ってしまうので、スジの部分が伸びて刺身の形が変わってしまうことがあるのです。
潰れて、よじれて、スジの部分が伸びてしまった「本マグロ中トロ」。こうなるから筆者は家で刺身を切るのはイヤなのです。しかもお高い「本マグロ中トロ」なので残念。
あまり美しくない仕上がりです。
さすがに「本マグロ中トロ」のような切りづらい高級食材は、それなりの包丁で切る必要があるのでしょう。というか、三徳包丁でそれなりのレベルで「本マグロ中トロ」が切れる「高級三徳包丁」のほうが異常ともいえます。
トマトを簡単に薄切りにしてしまう「高級三徳包丁」。まさに一刀両断という印象で本当に切るのが気持ちいいのです。
配信: LASISA