トマトってこんなに気持ちよく切れるんだと驚愕
刺身でのテストを行ったので、包丁の試し切りのお約束ともいえるトマトも切ってみました。半分に切ったトマトを薄切りにしてみたのですが、それぞれの結果は以下のような印象です。
「高級三徳包丁」の場合、トマトの皮の部分で滑ることなく、滑らかに包丁がトマトに入っていき、皮、身、柔らかなタネの部分と硬さの異なる部分もほとんど同じ力で切り進むことができます。そして柔らかなタネの部分も含めてスパッと両断される印象。
トマトスライス1枚1枚の断面が恐ろしくフラットできれいなのがわかるでしょうか。トマト全体もまったく潰れておらず、角もしっかりと立っています。
切っているうちに「もしかしたら、もっと薄く切れるのでは?」と、ドンドン薄く切りたくなるのです。また、余計な力がまったくかからないので、トマト自体が潰れることもなく、しっかりと角の立った美しいスライスに仕上がります。
「100円万能包丁」の切れ味は、ひと言でいうなら「平凡」です。トマトの皮部分への包丁の入り方はやや抵抗があり、どうしてもやや力が入ってしまいます。そのため、半分切ったトマトを切っているうちにトマトに力がかかって、トマトが潰れて開いてしまうのです。
「100円万能包丁」でここまで切れれば上出来ともいえるでしょう。しかし、比較するとトマトは潰れて変形しており、柔らかなタネの部分から水分が流れ出ています。
また、柔らかなタネの部分はスパッと切れたという感じではなく、やや潰れ気味になります。そのため、トマトスライス自体もやや潰れた感じに仕上がってしまいます。
切ったトマトスライスも食べ比べてみたのですが、ただ切っただけなので、スパッと美しく切れた「高級三徳包丁」で切ったもののほうが、気分的なものもあるかもしれませんが美味しく感じました。
カボチャって切れるんだと感心しました。無理矢理力づくで切っているときの半分くらいの力でカボチャが切断できるイメージです。
「カボチャって切れるんだ」と感心することしきり
せっかくなので硬いものもと思い、カボチャも切ってみました。普段の包丁でも途中まで刺さった包丁を強い力で押して、たたき切っている印象なのですが……。
本来、刃物は押したり、引いたりするときに切れるものなのですが、カボチャを切っているときは硬くて、力づくでたたき割っている感じでした。しかし「高級三徳包丁」ではカボチャを押して切っていることがよくわかります。力づくでたたき割るのではなく、刃物の切れ味で切断する印象。無理な力がかかっていないので、カボチャを切るときにも逆に安全な印象すら受けました。
普段どおりというか、切るというよりは力づくで割ったというイメージの「100円万能包丁」で切ったカボチャ。こちらのほうが普通でしょう。
逆にちょっと怖い印象だったのが「100円万能包丁」でカボチャを切ることです。切れ味の差も大きいのですが、かなりペラペラの包丁の刃ととてもしっかりとしているとはいえないプラスチック製の柄の組み合わせなので、カボチャを切る際に力をかけるのが怖い。しかも、ほかの食材でも感じたのですが、包丁がスーッとは入っていかないので、力をかけたときにカボチャに刃先が弾かれることもあるのです。この瞬間がとても危ない。いろいろな意味で包丁に強い力をかけないと切れないものは「100円万能包丁」には向いていないと感じました。
2本の包丁を比べて性能差を語ることよりも、包丁がよく切れると料理は楽しく、美味しくなるかを検証した今回のテスト。
配信: LASISA