餃子が良い子を作る?
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、「一生モノの能力を養う食育」についてさまざまな実践法を提案しています。
子どもや家族のための食事作り、毎日おつかれさまです。どんなときも食事は必ずやってくるので、子どもの成長や食育のために、家庭での料理をおろそかにはできないと考えている人は少なくないでしょう。
しかしながら「バランス良く食べさせることが大事?」「毎日違う献立じゃないとだめなの?」「やっぱり手作りがいいの?」などと疑問がわき、考えはじめるとストレスになってしまう場合も……。
餃子を手作りすることが子どもに良い影響を与える?
そんなことを考えながら、ある休日の夕方に餃子を包んでいたとき、自宅に来ていた母に言われたことがありました。それは「今は市販の餃子もおいしいけれど、手作りをすることは子どもにとって良い影響になるかもしれないわよ!」という内容。
「えっ、なぜ??」と、言われた当初はその意味がまったく分かりませんでしたが、話を進めていくと深く納得することに。
確かに私や兄が念願の東京大学に合格できたことや、私が食の仕事を楽しく続けているのは、幼少期の母の料理が大きく影響していることは間違いありません。それでは具体的に母がどのようなスタンスで日々の料理に取り組んでいたかについて、その一例をご紹介させていただきたいと思います。
母が料理を大切にしていた大きな理由とは?
私が子育てをするようになってから、母が初めて話してくれたことがあります。それは、母が心の中で大切にしてきた料理に対するモットーについて。
「私は専業主婦だったから、仕事で頑張る姿やかっこいい姿を見せたりはできなかったけれど、料理を一生懸命取り組む姿なら、毎日のように近くで見てもらうことはできるかもって考えたの。それが実際あなたたちに伝わっていたかはわからないけれど(笑)!」という内容でした。
そう言われたとき、幼少時代の頃の自分の気持ちや感情を振り返り、ハッとしたのです。私は母のことを働いている、働いていないで判断したことは一度もありませんでした。
そして料理に楽しそうに取り組む姿、子どもたちのことを考えながら料理をしてくれている苦労や努力が垣間見えたとき、「勉強やスポーツにおいて努力と工夫は重要なのか! 私も考えながら頑張ろう!」と確信したのです。そうです、母は頑張る姿勢のお手本を、日々の料理によって見せてくれていたのです。
ひとつだけ母が誤解されないためにも、これだけはお伝えしたいのですが、母は仕事をしなくても父が稼いでくれるからという理由で仕事をしていなかったわけではありません。当時の社会環境の中で、思うような仕事ができずに引け目を感じることもあったようです。
しかしながら今でも記憶として深く刻まれているのは、料理をする姿勢を大切にしながら、笑顔で子どもたちに寄り添ってくれたエピソードばかり。母からはさまざまな工夫法を聞きましたが、ここでは私がもっとも印象的に感じた2つのスタンスについて絞ってみることに。
それは、「好きな料理と嫌いな料理をどちらも一生懸命作ってみる」というものでした。
配信: 女子SPA!