歯科医師として生計を立てていくには、保険診療の治療だけでなく自費診療となる治療も行う必要があります。ただ、自費診療は高い技術と知識が必要であり、当然ながら実際に治療を行うなどのいわゆる修業が必要になります。そこで今回は、歯科医師が自費診療を学ぶためには、どうすればよいかを解説します。
自費診療を学ぶ手段
専門医がいる歯科クリニックへの就職
最も簡単に思いつくのが自費診療の症例数が多い歯科クリニックやインプラント治療等の専門医がいる歯科クリニックへ就職することでしょう。たとえば、インプラントの症例が多い医院や、矯正治療の症例が多い医院を就職先に選ぶことです。しかしながら、治療は(多くの場合)院長が対応するので、勤務医として手術に立ち会ったり補助に入れたりできるのかは分かりません。従って、インプラント治療の症例が多い医院に勤務医として就職しても、なかなかインプラント治療のノウハウを身につけられないケースも少なくないのです。
症例討論会への参加
他に自費診療を学ぶための手段として、症例討論会という症例の発表や共有を行う場に参加することで学ぶことが出来ます。症例討論会では、歯科医師が症例を持ち込み、特定の症例についてどう治療を進めていくのか、様々な観点から分析や討論を行うことで、他の歯科医師の見解を学ぶことが可能です。歯科クリニックによっては、定例で症例討論会を行ったり、外部の歯科医師を招いて開催したりする場合もあるため、歯科クリニックに確認してみるとよいでしょう。
勉強会やセミナーへの参加
また、学びたい治療の勉強会やセミナーへ参加することも自費診療を学ぶための一つの手段です。勉強会やセミナーに参加することで、自分が学びたい治療について専門的に学ぶことが出来、同じ治療を学ぶ歯科医師同士で交流することが出来るため、そこから意見交換をできるようになります。しかしながら、セミナーに参加するとなると、参加費用はとても高額になる場合があります。仮にインプラントの治療セミナーを例にすると、トータル100時間で約70万円~100万円と高額なセミナー参加費用が必要になることがあります。セミナー参加費用の一部または全額補助してくれる歯科クリニックも存在するので、そのような歯科クリニックに転職するのもよい手段となります。
自費診療を学んだあとは?
また、様々な手段で自費診療を学んだ後には、実務経験を積みたいと考えるのは当然の流れとなりますが、勤務先で実務経験を詰めるかが重要になります。もしかすると、勤務している歯科クリニックでは実務経験を積むことができないかもしれません。勤務先を決める際には、自費診療を学んだ後に、実務経験が積めるのかを事前に確認しておくことが重要になります。
配信: 医科歯科健診コラム