松山ケンイチ『虎に翼』“一気見レビュー”が大反響。誤字脱字があっても説得力が異様に高いワケ

松山ケンイチ『虎に翼』“一気見レビュー”が大反響。誤字脱字があっても説得力が異様に高いワケ

松山ケンイチが偉業を行った。

社会現象のようになった朝ドラこと連続テレビ小説『虎に翼』(NHK)の最終回後、突如、第1回から一気見をはじめ、Xで感想を連続ポスト続け、10月10日の深夜(11日)、全130回、完走した。最終回の感想のあと、翌朝11日には総括までポストする丁寧さであった。

松山ケンイチ、終盤は主人公に立ちふさがるラスボス的な役で出演

松山ケンイチは、『虎に翼』では主人公・寅子(伊藤沙莉)の法曹界の大先輩にあたる桂場等一郎を演じていた。

序盤から登場し、なにかと寅子と議論しあい、終盤はある意味ラスボス的に寅子の前に立ちふさがってくるというかなり重要な役であった。いつも苦虫を噛み潰したような顔をしているが、甘いものに目のないという憎めないキャラで人気を博した。

ドラマのメインキャストの一気見ポストとは、『虎に翼』ロスを埋めるにはじつにありがたい企画である。それもドラマ公式としてやっているわけでなく自主企画らしいところがまた好感度が高い。でも意外と早く駆け抜けてしまったため、感想ロスが広がりそうだ。

1回15分とはいえ全130回。例えば夏休みの宿題を終わりの1週間で慌ててやるしんどさは誰もが知っていることであろう。松山ケンイチは1日、数話(多くて10話分くらい)の感想を粛々(しゅくしゅく)とポストし続け、疲れたり眠くなったりしたら「中断します」と断り、翌日「再開します」と中断と再開の挨拶を律儀に行いながら、やり続けた。

一気見します宣言は1224万見られ、フォロワー数も一気に増加

このチャレンジの注目度の高さは抜群で、表示数がすごいことになっている。9月29日の一気見します宣言は10月10日時点で1224万。続く第1回の感想は272万。

その後、50万超えは当たり前な感じで、100万超えることも何度もある。フォロワーも一気に十万人以上に増えた。番組のためにも本人のためにもプラスであろう。もしマイナスがあるとしたら松山ケンイチ自身の作業が大変だろうなあということくらいだ。

ただ、ほんとうに自由な感想で、ドラマを見たことのない人のために念のための説明みたいなことは一切せず、ドラマを見ている人に向けて、素直な感想を書いているように見えるからストレスはあまりないのではないだろうか。

時々誤字もあるのも御愛嬌。それを我々ライターがやったらどこからともなくものすごく怒られるので(もちろん誤字脱字をなくすべきではある)、日夜戦々恐々としていることに比べたら気楽なのではとは思う。基本、見て感じたことをライブ感覚でポストしていて(実はそういう体<てい>をすごく考え抜いていたらそれはそれですごい)、そのラフさがむしろ新鮮である。そしてユーモアのセンスが抜群。

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